富士フイルム富山化学 独自AI技術用いた次世代型薬剤識別システム「PROOFIT iQ」 24年1月から販売
公開日時 2023/11/15 04:49
富士フイルム富山化学は11月14日、独自のAI技術で瞬時に入院患者が持ち込む服用薬(持参薬)を見分ける次世代型薬剤識別システム「PROOFIT iQ」の販売を24年1月から実施すると発表した。同システムはアプリ・スマホ・専用撮影台のシンプルなシステム構成で、薬剤師などが薬剤の識別作業をどこでも行える。同社によるとAI識別精度は97%、同速度は0.05秒以内という。データ連携も可能で、識別した医薬品の添付文書を表示できるほか、電子カルテや持参薬管理システムに識別結果を提供するなどの機能も有している。
「PROOFIT iQ」は、同社が2019年に発売した一包化監査支援システム「PROOFIT 1D」で収集した8000種以上の薬剤画像をAI学習に利用した。専用撮影台を用いて撮影した薬剤画像をタップすると、AIが学習済みの薬剤画像の刻印・文字をもとに対象薬剤を瞬時に識別し、候補となる薬剤5種を表示する。薬剤師は、それらの画像の中から撮影した薬剤画像と合致する一つを選択し、確定することで、持参薬鑑別業務に必要な目視による識別を簡単に行うことができる。
薬剤撮影による識別だけでなく、GS1標準バーコードによる識別、薬の名称・識別コードでのテキスト検索も可能。さらに各種データ連携も可能で、薬剤の識別以外の薬剤師業務について幅広くサポートできる。同社は、24年4月実施の医師の働き方改革を見据え、「薬剤師や看護師などの持参薬鑑別業務の負荷軽減と正確性向上に貢献したい」としている。