全国に拡大する医療MaaSの原型をつくり 地域医療の新たな形や価値創造をけん引
長野県伊那市のモバイルクリニック事業
公開日時 2023/11/01 00:00
医療MaaS(MobilityasaService)といわれる取り組みが全国で拡大している。その先鞭を付けたのは長野県伊那市のモバイルクリニック事業である。2020年から開始し、現在は10の医療施設が参加。通算のオンライン診療は400件を超えるほか、オンライン服薬指導やオンライン妊産婦健診などサービスの種類も拡大している。モバイルクリニックを活用したオンラインサービスの提供は過疎地における地域医療のスタンダードなシステムになり得るのか。伊那市の取り組みを通して、医療MaaSの可能性を考察した。(富井和司)三方の課題を解決する最善手医療MaaSには「医療とモビリティの掛け合わせで地域医療に新たな選択肢を与え、社会課題を解決するサービス」といった概念的な定義や、「対面診療と訪問診療の間を埋めるも...