田辺三菱製薬 遺伝子組換え人血清アルブミン事業を終息 「メドウェイ注25%」は薬価削除の手続きへ
公開日時 2022/07/22 04:50
田辺三菱製薬は7月21日、遺伝子組換え人血清アルブミン事業を終息させると発表した。販売再開を検討した遺伝子組換え人血清アルブミン製剤「メドウェイ注25%」の製法を確立できず、供給再開を断念した。同剤をめぐっては、2009年3月に「メドウェイ注5%」の承認申請データの一部に不正が確認され、同注5%は製造販売承認を取り下げ、同注25%は自主回収した。その後、外部製造委託先と継続して製法の検討を行ってきたが、確立できなかった。
メドウェイ注は世界初の治療用遺伝子組み換えアルブミン製剤として、田辺三菱と子会社のバイファが共同開発し、08年5月に発売した。ただ、翌09年に承認申請データの一部に不正が発覚。5%製剤の有効期限延長のための承認事項一部変更申請(一変申請)を準備する中で、異常とみられる試験データについて、再確認試験をしないまま異常のない形に書き換えており、09年1月26日に一変申請を取り下げていた。一方で、「メドウェイ注25%」は、同一時期に同一の製造所で実生産バリデーションが行われたため、販売開始以降全ての製品を対象に自主回収していた。
その後、同社は「メドウェイ注25%」の販売再開に向け、外部製造委託先と継続して検討を行ってきたが、品質維持と安定供給に耐えうる製法を確立できず、供給再開を断念した。なお、「メドウェイ注25%」については薬価削除の手続きを行う。これに伴い、同社の遺伝子組換え人血清アルブミン事業を終息させる。