武田薬品 てんかん重積状態の治療薬ミダゾラムを承認申請 頬粘膜投与製剤
公開日時 2020/03/02 04:50
武田薬品は2月28日、合成イミダゾベンゾジアゼピン誘導体のミダゾラム(一般名、開発コード:SHP615)について、てんかん重積状態の治療薬として日本で承認申請したと発表した。頬粘膜投与用プレフィルドシリンジ製剤で、歯ぐきと頬粘膜の間に投与するイメージで用いる。厚労省から希少疾病用医薬品の指定を受けている。
厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」での協議を踏まえ、てんかん重積状態の治療薬として開発を進めた。
同社の日本開発センターの廣田直美所長は、「てんかん重積状態は、迅速な治療を行わない場合、長期的な後遺障害に至ることもある」とした上で、「頬粘膜投与の本剤を、緊急を要する治療において利便性および即効性を有する新たな治療オプションとして日本の患者さんにお届けできる日を心待ちにしている」とコメントした。
ミダゾラムは催眠、鎮静、麻酔、抗不安などの作用に加え、抗けいれん作用を有する。速効性があり、持続静脈内投与も可能であることから、多くのてんかん重積状態の患者に使用されている。2014年に静脈投与によるてんかん重積状態に対する治療薬として、ミダフレッサ静注0.1%(製造販売元:アルフレッサファーマ)が承認された。
ミダゾラムの頬粘膜投与は海外で、既に非静脈経路の薬剤として広く使用されている。米国てんかん学会や英国NICEのガイドラインでも、小児てんかん重積状態初期治療における推奨薬剤のひとつとして記載されている。医療機関内外で使用できる薬剤として、海外製品名「BUCCOLAM」として、EU加盟27か国、イギリスなど33か国で承認されている。