日本新薬 肝中心静脈閉塞症用薬デフィブロチドナトリウムを国内申請
公開日時 2018/10/19 03:50
日本新薬は10月17日、肝中心静脈閉塞症を予定適応とするデフィブロチドナトリウム(一般名、開発コード:NS-73)を日本で同日に承認申請したと発表した。血液がんなどの治療に実施される造血幹細胞移植の合併症として知られる疾患で、日本では有用な治療法が確立されていない。厚労省から9月14日に、「造血幹細胞移植後の肝中心静脈閉塞症」の治療を対象として、希少疾病用医薬品の指定を受けている。
肝中心静脈閉塞症(VOD)は、造血幹細胞移植の前処置に用いられた大量の抗がん剤や放射線照射により肝臓の循環障害が引き起こされて発症する。体重増加、肝腫大、腹水、黄疸などの症状がみられ、重症の場合は多臓器不全により死亡率が80%に至る。
同剤はブタ腸粘膜から精製された一本鎖デオキシリボ核酸で、血管内皮の保護、血液の凝固及び線溶系のバランスを正常化させることで効果を発揮すると考えられている。
日本新薬は17年3月に、アイルランドのジャズ・ファーマシューティカルズ社から同剤の日本における独占的開発・販売権を取得した。今回の国内申請は、国内医師主導治験の成績と、ジャズ社が実施した海外臨床試験などの成績を併せて行った。剤形は注射剤。海外では同疾患に対する世界初の治療薬として、欧米など世界35か国で販売されている。