米Alnylam社 希少難病のhATTRアミロイドーシス治療薬で日本参入 RNA干渉薬を承認申請
公開日時 2018/10/02 03:50
米Alnylam社は10月1日、 今夏設立した日本法人Alnylam Japan(東京都千代田区、代表取締役社長:中邑昌子氏)が遺伝子変異による進行性の希少難治性疾患トランスサイレチン型家族性(hATTR)アミロイドーシスの治療薬patisiranを日本で承認申請したと発表した。この疾患は、異常なアミロイドタンパク質が蓄積し、末梢神経や心臓などの臓器・組織を傷つけ、診断からの生存期間中央値は4.7年。希少疾病用医薬品に指定されており、同社は2019年半ばごろの承認取得を見込む。
同剤は、異常なタンパク質をコードするメッセンジャーRNAを標的に、コードが読まれることを停止させ、異常なタンパク質が作られることを阻害するよう設計されたRNA干渉(RNAi)の技術を用いている。静脈内投与で用いる。RNAi治療薬の承認申請は日本では初めてという。
米Alnylam社は、RNAi技術による新薬を研究開発する企業。発表によると、patisiranは18年8月、米FDAが、成人のhATTRアミロイドーシスにおけるポリニューロパチーの治療に対し承認(商標名:ONPATTRO)。画期的治療薬、希少疾病用医薬品の指定により優先審査された。同月、欧州委員会は、成人のhATTRアミロイドーシスにおけるステージ1または2のポリニューロパチーの治療薬として承認した。EMAでは迅速審査された。