アステラス製薬 開発中の急性骨髄性白血病治療薬「ASP2215」 造血幹細胞移植後の維持療法もフェーズ3に
公開日時 2017/08/23 03:51
アステラス製薬は8月22日、急性骨髄性白血病(AML)の治療薬として開発を進め、国の「先駆け審査指定制度」の対象であるギルテリチニブ(一般名、開発コード「ASP2215」)について、造血幹細胞移植(HCT)後の維持療法を検証する国際共同フェーズ3「MORPHO」 試験で患者登録を開始したと発表した。
同剤は、がん細胞の増殖に関与する受容体型チロシンキナーゼである FLT3と、化学療法への抵抗性との関連が報告されているAXLを阻害するとされる。すでに再発または治療抵抗性のFT3陽性患者を対象にしたフェーズ3は進められている。
今回発表した「MORPHO」 試験は、予後が不良といわれる、FT3の2つの遺伝子の変異である「遺伝子内縦列重複(ITD)変異」陽性患者が対象。このタイプの患者の多くはHCT後に再発するとされ、「MORPHO」 試験では、日本を含むFLT3/ITD変異を有するAML患者346名の患象に、HCT後の維持療法の効果などを検証する。無作為化二重盲検プラセボ対照多施設共同試験で、主要評価項目は「無再発生存期間」(RFS: relapse-free survival)。
HCT後の維持療法についてもフェーズ3に進んだことで、必要な4つの試験が全てフェーズ3となった。他の3つの試験は▽再発または治療抵抗性の患者を対象にした「ADMIRAL」試験(患者組み入れ開始:15年10月)▽初回寛解導入療法非適応患者(新規診断)を対象にした「LACEWING」試験(同:16年11月 フェーズ2/3)▽化学療法後の維持療法を検証する「GOSSAMER」試験(同:17年4月)。アステラスは、同剤の承認申請時期のめどは開示していないが、結果が得られ次第、順次承認申請する方針。