要介護者の服薬状況を関係者が共有 日立システムズとクラリオンが茨城県笠間市で実証実験
公開日時 2016/06/29 03:50
日立システムズとクラリオンはこのほど、要介護者の緊急連絡先や要介護認定状況、健康診断結果、ケアプランなどを介護・医療関係者が共有、閲覧できる茨城県笠間市の「介護健診ネットワーク」と、在宅で服薬時間などを知らせ、服薬情報を記録する「服薬支援ロボ」をクラウド上で連携させ、服薬状況を含む情報共有が可能であることが確認できたと発表した。両社は、全国各地域の医療や介護の連携ネットワークにおいても同様の提案をしていくとしている。
6月23日に発表した。それによると、4月以降、市内の3人の在宅療養者に服薬支援ロボを提供。ネットワークとの連携により、市のスタッフや薬剤師など介護・医療関係者が、要介護者の服薬履歴や残薬の情報を参照できるようになった。また、服薬支援ロボに搭載した人感センサーの反応履歴を確認することで、在宅では把握しにくかった要介護者の活動量なども把握可能になった。
同市の「介護健診ネットワーク」は日立グループが構築を担当し、14年7月からスタート。「服薬支援ロボ」は、クラリオンと、介護サービスのセントケア・ホールディングが設立した、介護ロボットを企画販売するケアボットが開発し、同年10月に発売。この中で日立システムズは、同ロボを活用し服薬履歴や残薬情報を遠隔地で参照できる「服薬支援クラウドサービス」の販売を15年10月から行い、16年4月から笠間市において同サービスの試験導入とともに、「介護健診ネットワーク」と連携させる実証実験を実施していた。
発表した両社は、「居宅療養や居宅介護においては、転倒事故発見の遅れや薬の飲み忘れ、誤飲による重症化が課題となっており、高齢者の見守りや適切な服薬支援を行うことにより、これら課題の改善が期待される。今後「服薬支援クラウドサービス」の本格展開により、患者の適正な服薬アドヒアランスの向上や地域包括ケアシステムの関係者の負荷軽減に貢献する」としている。