日本小児科学会 急性弛緩性麻痺や急性呼吸不全で実態調査協力呼びかけ
公開日時 2015/10/26 03:50
日本小児科学会は10月23日、ポリオの麻痺に似た急性弛緩性麻痺症状を呈する急性弛緩性脊椎炎や、喘息のような症状を示す急性呼吸不全が小児に相次いでみられたことから、実態把握調査に協力するよう会員に呼びかけた。ポリオウイルス以外の感染症も考えられることから、感染症法に基づく積極的疫学調査の一環として国立感染症研究所が実態調査を行うことになり、厚労省が21日に自治体含む関係団体に協力依頼していた。
米国では昨年、エンテロウイルスD68(EV-D68)との関連が疑われる重い呼吸器症状を示す患者が1000例を超えて報告されている。同時期に急性弛緩性麻痺も120例報告され、一部からEV-D68を検出された。日本でも今年、似たような症例が報告されたとして、より広く調査することになった。小児科学会は、同様の症例を診察した会員は、最寄りの自治体(保健所)に連絡するよう求めている。
同学会が会員に宛てた文書によると、日本では今年8月末から9月をピークに、全国各地で喘息様症状を呈する下気道炎患者が急増し、中には急性呼吸不全症例も発生している。症例からはEV-D68が検出されたとの報告もある。ほぼ同時期に、急性弛緩性麻痺症状を呈する急性弛緩性脊髄炎症例も報告され、その症例からはEV-D68が検出されている。