ジオトリフ 非小細胞肺がん国際共同P3でOSを有意に延長 特定のEGFR遺伝子変異で
公開日時 2015/01/22 03:50
ベーリンガーインゲルハイムはこのほど、ジオトリフ(一般名:アファチニブマレイン酸塩)のEGFR陽性非小細胞肺がんを対象とした2つの国際共同第3相臨床試験(P3)の解析から、Del19遺伝子変異陽性患者において全生存期間(OS)が有意に延長したと発表した。2試験は、日欧米などが参加したLUX-Lung 3とアジアで実施したLUX-Lung 6。今回の結果の詳細はThe Lancet Oncologyに掲載された。
いずれのP3もEGFR遺伝子変異陽性の転移非小細胞肺がん患者を対象とし、ジオトリフ群と化学療法群を比較した。その結果、主要評価項目の無増悪生存期間(PFS)がジオトリフ群で有意に延長したが、副次評価項目であるOSについては、全体では両群で有意な差が示されなかった。ただ、最も一般的な遺伝子変異であるエクソン19欠失(Del19)を有する患者での解析では、OS中央値がLUX-Lung 3試験でジオトリフ群33.3 カ月に対して 化学療法群21.1カ月、LUX-Lung 6でも同様に31.4カ月に対して18.4カ月となり、いずれの試験でもジオトリフ群で1年以上のOSの延長が認められた。なお、L858R遺伝子変異を有する患者ではOSに差はなかった。
国立台湾大学医学院がん研究センター主任のジェームズ・ヤン教授は、今回の解析結果について「ジオトリフ群のOSに肯定的な結果が示されたことは、Del19遺伝子変異を有する非小細胞肺がん患者を勇気づけるもの。既存のEGFRを標的とする治療は、いずれのEGFR遺伝子変異を有する肺がん患者のOSのベネフィットも示していない」とコメントしている。