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米FDA 不眠症治療薬Belsomraを承認

公開日時 2014/08/20 03:50

米食品医薬品局(FDA)は8月13日、米Merck Sharp & Dohmeの不眠症治療薬Belsomra(suvorexant)錠剤を承認した。Belsomraは、オレキシン受容体拮抗薬と呼ばれる新規作用機序を持つ薬剤で、米FDAが同種薬剤では初めて承認した。同剤の適応は、入眠および睡眠維持の困難を改善する。オレキシンは、睡眠覚醒サイクルを調整し、覚醒維持の役割を果たしている神経ペプチド。このため、同剤は、脳内のオレキシンの信号伝達を阻害することにより覚醒状態を抑制し、入眠・睡眠維持をもたらす。


Belsomraの用法用量は、就寝30分前で、少なくとも起床時間の7時間前に服用。1晩で1回以上の服用は禁じている。規格には、5mg、10mg、15mgおよび20mgの4種類あるが、1日20mgを超えて服用してはならない。


FDA医薬品評価研究センター(CDER)のEllis Unger医薬品評価第1部長は、「FDAは、各患者の不眠症を治療する際に最善の用量を見つける上で医療専門家および患者に役立つように4種の規格を承認した」と述べたうえで、「最少有効用量は、翌朝の眠気のような副作用を減らすことができる」と複数規格のラインアップのメリットを強調した。


臨床試験時の主な副作用は、眠気で、覚醒状態を必要とする自動車の運転などの作業に障害を与える恐れがあるため、FDAはMerckに対して、同剤を服用したあとの運転についての試験を求めた。その結果、20mg服用後では、運転に障害をきたしたため、20mg服用した場合は、翌日の運転や十分な精神的覚醒を要する作業に対しては十分な注意が呼びかけられた。20mg以下の服用でも、同剤への感受性が各患者で異なるため、翌日の運転への障害の可能性があることが呼びかけられている。


Belsomraの有効性は、3本のプラセボを対照とした比較試験で検証された。Belsomra投与群では、プラセボ投与群に比べ、入眠は早く、夜間覚醒の時間が短かった。患者には、同剤の使用法と安全性情報が記載された患者メディケーションガイドが配布される。


Merck Research LaboratoriesのDavid Michelson副社長(神経科学担当)は、「本日のBelsomraの承認は、不眠症に悩む患者に新たなオプションを提供することを意味する。同剤は、Merckの10年以上にわたる神経科学の研究の成果であり、イノベーションに長いこと取り組んできたことの具体的な証拠である」と同社の研究結果に自信を示した。


 

 

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