尋常性ざ瘡治療薬 過酸化ベンゾイルベースの治療伸長
公開日時 2017/05/31 00:00
既存抗菌薬のシェアは低下傾向新薬との競合、薬剤耐性菌の回避で常性ざ瘡(にきび)は、思春期以降に発生する顔面、胸背部の毛包脂腺系を場とする脂質代謝異常、角化異常、細菌の増殖が複雑に関与する慢性炎症性疾患である。「青春のシンボル」ともいわれ、皮膚疾患としての認識が低く、治療満足度も十分とはいえなかった。そのような中で2008年以降、新規機序または世界標準の医療用外用剤が相次ぎ発売され、治療が大きく前進した。そこで今回は、ざ瘡治療薬の処方動向を俯瞰してみる。いつも通り、調剤レセプトベースから実際の処方動向を把握・分析する医療情報総合研究所(JMIRI)のデータを用いて検証する。まず、ざ瘡治療薬を振り返ると、抗菌薬が中心のざ瘡治療において、08年に日本初の外用レチノイド製剤であるアダパレン(一般名、...