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パニツムマブとFOLFOX4の併用 KRAS野生型の転移性結腸直腸がんでPFS延長

公開日時 2009/09/28 16:00

J.Y.DouillardKRAS遺伝子に変異のない野生型(WT)の転移性結腸直腸がん(mCRC)患者へのファーストライン治療で、完全ヒト抗EGFR抗体パニツムマブ(製品名:VECTIBIXとFOLFOX4を併用すると、無増悪生存期間(PFS)を有意に延長するとのフェーズ3試験結果が、9月24日にドイツ・ベルリンで開催された第34回欧州臨床腫瘍学会(ESMO)・第15回欧州癌学会(ECCO)で発表された。この試験は、mCRCのファーストライン治療において有効性予測バイオマーカーとしてのKRAS遺伝子にフォーカスした初の大規模無作為化試験。フランス・NantesCentre Rene Cauducheau氏が、Presidential Sessionで報告した。


同試験は「PRIME試験」と呼ばれ、1183例の患者を対象に全世界で実施された。パニツムマブ+FOLFOX4群が593例、FOLFOX単独群が590例。うちKRAS遺伝子の有無が確認できたのは併用群の92%(うち野生型が60%、遺伝子変異は40%)、単独群の93%(野生型は60%、遺伝子変異は40%)だった。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)、それ以外のエンドポイントは全生存期間(OS)、奏効率(ORR)、効果の持続(DOR)、効果までの期間(TTR)、安全性。 

 

◎無増悪生存期間が有意に改善、OSでは有意差出ず


試験結果によると、KRAS野生型では、PFSの中央値はパニツムマブ併用群9.6カ月に対し、FOLFOX単独群では8.0カ月で、ハザード比は0.80で、併用群で有意に改善した。OSはパニツムマブ併用群で改善する傾向は見られたが、有意差が出なかったため、今後、補足的なフォローアップが必要とされた。


奏効率をみると、併用群55%に対し、単独群で48%が改善が示された。完全奏効(CR)は併用群が0%、単独群が0.3%で、部分奏効がそれぞれ55%と47%、病勢安定(SD)が30%と36%だった。


一方、遺伝子変異のあった患者のPFSは、パニツムマブ併用群とFOLFOX4単独群は、それぞれ7.3カ月と8.8カ月(ハザード比は1.29)で、後者のほうが優れており、遺伝子変異のない患者群と比べ、結果が逆転した。OSの中央値は前者が15.1カ月に対し、後者は18.7カ月だった。

 

◎グレード3/4の有害事象は併用群で高頻度


グレード3/4の有害事象は、KRAS野生型の併用群(322例)では84%、単独群(327例)が69%で、併用群のほうが多かった。両者ともに発現頻度が高かったのは好中球減少で併用群が42例、単独群が41例、神経学的毒性(両者とも16例)でほぼ同等。逆に併用群で多かったのが皮膚毒性(併用群36例、単独群2例)や下痢(併用群18例、単独群9例)、口内炎(併用群9例、単独群1例)などだった。死亡は併用群5例、単独群6例だった。

 

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