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住友ファーマ・木村社長 アムシェプリ承認「非常に大きなマイルストーン」本承認へ新たなスタート誓う

公開日時 2026/03/09 04:52
住友ファーマの木村徹代表取締役社長は3月6日、非自己iPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞・アムシェプリの製造販売承認取得に関する記者会見に臨み、「非常に大きなマイルストーンだ」と強調した。ただ、あくまで条件及び期限付承認であるとして、「多施設で製造販売後臨床試験(フェーズ4:P4試験)を実施した上で、7年以内に改めて申請し、承認取得することが必要」と強調。現在選定中の7施設を中心に、「本年中に最初の移植投与を開始したい」と意欲を示した。P4試験の症例数は、18歳以上65歳以下が30例、65歳超が5例の計35例を想定しているとした。

アムシェプリは、iPS 細胞由来の再生・細胞医薬品として世界初の製品。京都大学医学部附属病院で実施した医師主導治験の結果に基づき、住友ファーマが2025年8月5日に製造販売承認申請を行い、3月6日付けで条件及び期限付承認を取得した。今後の薬価収載後の販売は住友ファーマが、製造はS-RACMOが担う。今回は、あくまで条件及び期限付承認ということで、7年以内に本承認を取得するための製造販売後臨床試験および使用成績調査が求められる。

◎P4試験 7施設、登録35例 うち65歳超5例 登録から移植まで6か月 2年間のフォロー期間も

木村社長は会見でアムシェプリの製造販売後臨床試験 (P4試験)の概要を説明。実施施設については7施設を予定しており、現在までに選定および手続きを進めていると説明した。開始時期は26年中。登録症例数は、現在の薬物治療では運動症状の改善が不十分なパーキンソン病患者で、1日の中で運動症状にオンとオフの状態があることを選択基準としている。登録患者数は35例(うち65歳超が5例)。なお、65歳超の5例を登録する理由について木村社長は、「京大病院で行った治験7例中、1例が65歳超の症例で効果を確認できなかった。それは年齢ためなのかどうかをしっかり見極めたいということだ」と述べ、65歳超の症例を同じ比率の別のグループとして患者登録する意義を説明した。

P4試験の実施期間については、患者登録から、同意、スクリーニング、移植手術前の症状確認から移植手術までを最大6か月とみる。その後2年間のフォローアップ期間中に年1回、移植した細胞が生着しているかを確認。さらに日常診療での使用成績調査まで実施する。

ただ、「すぐに試験に入れるかというと難しい」と木村社長は指摘する。今後の薬価収載を経て、施設の治験審査委員会(IRB)への申請と契約締結、さらに薬剤の採⽤活動等を行うことになると指摘。施設側の準備が整った後に「製品製造の工程に入る。これには2か月程度を要する」と述べ、「1例目移植ができるのは、今年の年末くらい」との見方を明かした。木村社長また、「1回の製造で患者1人分しかつくれない」と述べ、患者選定に厳しい手順があることを踏まえると、「患者登録だけで2~3年は要する」と強調。「我々としては(製造の)スケールを上げるための研究は並行して続けていく」とも強調した。

◎木村社長「新たなスタートということで非常に緊張感を持って臨んでいる」

木村社長は、「条件及び期限付承認制度で本承認までいった例はまだ無い。我々としては、これを何としても達成するということで、本日(の承認を)喜んでおりますが、新たなスタートということで非常に緊張感を持って臨んでいるということだ」と力を込めた。

◎住友化学・水戸社長 「iPS細胞を用いた再生医療が社会実装フェーズに移行した」

一方、住友化学の水戸信彰代表取締役社長は会見で、「iPS細胞を用いた再生医療が本日の(条件及び期限付)承認をもって社会実装のステージへと移行したことは、日本の科学技術と産業競争力の両面において、大きな意義を持つ出来事だと受け止めている」と強調。「住友化学グループとしては、今後も大学や研究機関の知と、国の支援によって育まれた基盤を最大限に生かしながら、この再生細胞医薬の分野が日本初の新たな産業として持続的に発展していけるよう、その一翼を担う企業グループとして取り組んでいきたい」と抱負を語った。

◎京大iPS細胞研究所長・髙橋淳教授 「改めて兜の緒を締めているような感じ」

京都大学iPS細胞研究所所長の髙橋淳教授は、「より多くの患者さんでアムシェプリの安全性・有効性を調べる機会を頂けたことは非常にありがたく思っている。きちんと成果を出して、患者さんに治療を届けるためには、今後も精進する必要がある。月並みな言い方だが、改めて兜の緒を締めているような感じ」と述べた。
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