26年度薬価改定を告示 G1適用前倒し59成分追加、バイオ12成分 不採算品再算定は232成分704品目
公開日時 2026/03/05 10:01
厚労省は3月5日、2026年度薬価改定を官報告示した。26年度薬価改定では、長期収載品の価格の適正化の観点からいわゆるG1ルールの適用が原則10年から5年へと短縮された。これにより、G1に加わったものが59成分145品目(告示数)あった。バイオシミラーが収載されているバイオ先行品でG1が適用された品目は12成分41品目だった。長期収載品に依存するビジネスからの脱却を促す。一方で、医薬品の安定供給を重視し、不採算品再算定を232成分704品目(告示数)に適用するなど、薬価の下支えも行われた。
長期収載品から後発品への置換えは原則、後発品上市10年後からとされてきたが、26年度薬価改定では選定療養の導入期間も踏まえて5年に短縮。G2やZ2を廃止し、5年を経過した長期収載品の薬価については、後発品置換率によらず G1 を適用し、後発品の加重平均薬価を基準として段階的に引き下げることとなった。
◎G1前倒し適用は7成分11品目 アリムタ、フェブリク、ディナゲスト、ヤーズなど
後発品収載後5年を経過し、長期収載品の後発品価格への引下げ(G1)の対象は356成分812品目。初適用となるのは236品目、2回目のG1適用は139品目、3回目は372品目、4回目は54成分。後発品置換え率が80%以上となることが2回連続し、後発品収載5年たたずしてG1を 前倒しして適用されたのは、アリムタ(日本イーライリリー)、アロキシ(大鵬薬品)、ザクラス(武田薬品)、ディナゲスト(持田製薬)、フェブリク(帝人ファーマ)、ヤーズ(バイエル薬品)、ロトリガ(武田薬品)の7成分11品目。
◎G1適用のバイオ医薬品12成分 アバスチン、ハーセプチン、レミケードなど
G1品目のうち、バイオ医薬品は12成分41品目。26年度薬価改定では、バイオシミラーが収載されているバイオ先行品について、G1 を適用することとされており、新たにG1に該当したのは、アバスチン(中外製薬)、エンブレル(ファイザー)、グラン(協和キリン)、ジェノトロピン(ファイザー)、ハーセプチン(中外製薬)、ヒュミラ(アッヴィ)、ヒューマログ(日本イーライリリー)、フォルテオ(日本イーライリリー)、ランタス(サノフィ)、リツキサン(全薬)、レミケード(田辺ファーマ)の11成分が初適用。ネスプ(協和キリン)は、G2が適用されており、26年度薬価改定でG1が適用され、後発品価格の加重平均値の2倍に引下げられる。
◎不採算品再算定232成分704品目 トップは高砂薬業と栃本天海堂の53品目
薬価の下支えルールとして、不採算品再算定が適用されたのは、232成分704品目(告示数、品目数は714品目)。先発品59成分99品目、後発品56成分176品目、その他品目145成分429品目(告示数)。不採算品再算定をめぐっては、組成、剤形・規格が同一の類似薬全てが該当する全員手上げのルールを削除。医療上の必要性の高い品目を対象とするルール改正が行われた。組成、剤形区分及び規格が同一である全ての類似薬の乖離率の平均が全ての既収載品の平均乖離率を超える品目は不採算品再算定の対象外とされた。
なお、企業から希望のあった品目を対象に特例的に適用した23年度薬価改定は328成分1081品目、24年度薬価改定では699成分1911品目、25年度薬価改定では182成分429品目に適用されていた。
本誌が適用品目を企業別に分析したところ、最多は、生薬を扱う高砂薬業と栃本天海堂の53品目がトップ。ニプロ44品目、テルモ43品目、ツムラ40品目、扶桑薬品が37品目、堀江生薬32品目が次いだ。生薬や漢方製剤への適用が多く見られる結果となった。CSLベーリング14品目、武田薬品12品目、日本血液製剤機構12品目となるなど、血液製剤や輸液などの適用も目立った。
◎最低薬価は585成分3186品目 基礎的医薬品は493成分1896品目
最低薬価の対象品目は585成分3186品目。このうち、従来最低薬価品目だった品目は435成分2185品目。このうち乖離率超で薬価が引きあがらなかったのが3成分28品目。みなし最低薬価品目は84成分302品目、このうち乖離率超で薬価が引きあがらなかったのが22成分47品目だった。26年度薬価改定では、最低薬価について一律3.5%の引上げを行う。ただし、24年度の最低薬価品の平均乖離率である12.1%超の品目は対象外とされた。
基礎的医薬品が適用されたのは、493成分1896品目(告示数、品目は2341品目)。このうち、重要供給確保医薬品のAにかかわる基礎的医薬品は、15成分131告示数、131品目。このうち、先発品がG1品目であるものが4成分35品目だった。
◎後発品 後発企業区分Aのため価格帯集約が行われないは32成分52品目
後発品をめぐっては、26年度薬価改定で内用薬や外用薬は価格帯集約がなされる一方、注射薬、バイオシミラーと企業区分Aで要件を満たしたいわゆる特A品目は価格帯集約の対象としないとのルール改正がなされた。
後発企業区分Aのため価格帯集約が行われない品目数は32成分52品目。このうち、上市から5年以内は30成分50品目だった。重要供給確保医薬品は5成分5品目あった。厚労省の担当官は、「3価格帯集約プラス1、2品目が集約されずに改定されたイメージ」と説明した。後発品のうち、価格帯数が「1」は756品目、「2」は371品目、「3」は470品目。
◎後発品企業区分 A区分38社 B区分64社、C区分83社
後発品の企業指標による企業区分は、A区分38社 B区分64社、C区分83社だった。企業区分については26年度(26年4月以降)に公表されることとされているが、厚労省の担当官は「現在のところ、どの範囲で、いつの時点で公表するかは決まっていない。今後、検討していく」と話した。