厚労省 薬剤師以外のピッキングや一包化「薬剤師の指示に基づく」実施は可能
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公開日時 2019/04/03 03:51
薬剤師以外が行うピッキングや一包化が、薬剤師の指示の下での実施など一定の要件を満たせば可能であることが明確になった。厚生労働省医薬・生活衛生局総務課は4月2日付で、都道府県宛に通知を発出した。調剤については、医師などが自ら調剤するときを除き、薬剤師以外が調剤することが薬剤師法で禁止されており、その範囲が議論となっていた。今回の通知ではPTPなどのピッキングは可能とする一方で、軟膏剤や水剤、散剤の混合などは薬剤師法違反であることも示している。
今通常国会に提出を見込む改正医薬品医療機器等法(薬機法)の議論では、「調剤時に限らず、必要に応じて患者の薬剤の使用状況の把握や服薬指導を行う」ことを義務化するなど、対物業務の重要性が高まっている。技術革新により、ピッキングのオートメーション化や、ICT技術による効率化なども見込まれる。こうしたなかで、法改正の議論では、薬剤師が本来業務を果たすためにも、対物業務の効率化を求める声が日本保険薬局協会(NPhA)などからあがっていた。
◎薬剤師の目が届く範囲での実施求める
通知では、薬剤師以外のPTPシートなどのピッキングや、一包化した薬剤の確認などの行為について、「調剤に最終的な責任を有する薬剤師の指示に基づく」ことを前提に容認した。具体的には、▽薬剤師の目が現実に届く限度の場所で実施される、▽薬剤師の薬学的知見も踏まえ、処方箋に基づいて調剤した薬剤の品質等に影響がなく、結果として調剤した薬剤を服用する患者に危害の及ぶことがない、▽業務を行う者が、判断を加える余地に乏しい機械的な作業である―ことを求めた。
ただ、軟膏剤や水剤、散剤等の医薬品を直接計量、混合する行為は、薬剤師の途中確認があっても薬剤師法違反であるとした。そのうえで、「調剤機器を積極的に活用した業務の実施を妨げる趣旨ではない」ことも明記した。
◎「納品された医薬品を棚に」は調剤行為に該当せず
▽納品された医薬品を調剤室内の棚に納める、▽調剤済みの薬剤を患者のお薬カレンダーや院内の配薬カート等へ入れる、▽電子画像を用いてお薬カレンダーを確認する、▽薬局において調剤に必要な医薬品の在庫がなく、卸売販売業者等から取り寄せた場合等に、先に服薬指導等を薬剤師が行った上で、患者の居宅等に調剤した薬剤を郵送等する―行為は、調剤行為に該当しないことも明確にした。
薬局開設者には、手順書の整備や、こうした行為を行う薬剤師以外への研修などの措置も求めた。