【World Topics】米国における安楽死と自殺幇助
公開日時 2014/09/29 03:50
米国では、安楽死(Euthanasia)は全州で違法だが、医師による自殺幇助(“PhysicianAid in Dying“または”Assisted Suicide”)は州によっては合法と認められている。安楽死と自殺幇助の違いは、自殺者本人が自ら自発的な行為として実行するか否か。第三者による判断あるいは実行によって患者が死に至った場合は安楽死として扱われる。(医療ジャーナリスト 西村由美子)
自殺幇助が米国で最初に認められたのは、オレゴン州で尊厳死法(Death with Dignity Act)が成立した1997年10月であるhttp://public.health.oregon.gov/ProviderPartnerResources/Evaluationresearch/deathwithdignityact/Pages/index.aspx
オレゴン州民(州内に最低6ヶ月以上継続して居住していることが条件)で、医師により余命6ヶ月以内のターミナル・ステージと認定された18歳以上の患者には、医師から特に処方された致死性の医薬品を用いた自殺が認められるというものだ。
自殺幇助の許認可に先立っては、オレゴン健康局が、患者および医師の両方について審査を行うことになっており、審査の経緯および結果、自殺幇助の実施結果などは年次レポートにまとめられ、公開されることになっている。
オレゴン州のほかには、ワシントン州、バーモント州でもすでに立法化され、州法下で自殺幇助の実施手順が確立している(オレゴン州同様に、18歳以上の州民に限定、余命6ヶ月以内と医師に認定されている場合のみ一定のプロトコルにしたがって実施可能)。またモンタナ州では自殺幇助が法的に認められているが、個々のケースごとの実施の許認可の判定は裁判所によって行われることになっている。
上記4州以外の46州では自殺幇助は認められていない。また連邦法にはこれに関わる規定はない。