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【esc特別版】クロピドグレル低反応性軽症脳卒中患者 糖尿病高リスクに

公開日時 2012/06/06 09:50

 

クロピドグレルに対する血小板反応性が低い軽症脳卒中と一過性脳虚血発作(TIA)の患者では、反応性が高い患者と比べて、耐糖能異常(IGT)や糖尿病のリスクが有意に高いことが明らかになった。スウェーデンKarolinska InstitutetのAnnika Lundstrom氏らの研究グループが、5月22~25日の日程で、ポルトガル・リスボンで開催された第21回欧州脳卒中学会議のポスターセッションで23日、報告した。

 

クロピドグレル低反応性患者では、新規心血管イベントの発症抑制効果が低下することが知られている。この反応性低下の要因の1つとして、糖尿病の発症が指摘され始めている。そこで研究グループは、軽症脳卒中とTIA患者における低反応性の割合と、グルコース代謝との関連性を検討した。

 

対象は、二次予防の目的でクロピドグレルを投与している、軽症脳卒中またはTIAの患者66例。1カ月目に多電極凝集能測定(MEA)により血小板反応性を測定し、低反応性を468 AU/分以上と定義した。またグルコース代謝は、経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)により測定した。被験者のうち22例が糖尿病、17例はIGTであった。クロピドグレル低反応性の患者は、21%(14例)だった。

 

その結果、クロピドグレル低反応性患者のうち、92.9%(13例)がIGTもしくは糖尿病で、正常な反応性の患者での割合(48.1%)と比べて有意に高いことがわかった(p=0.021)。またIGT症例と糖尿病症例のどちらにおいても、低反応性患者が1/3を占めた。

 

低反応性患者は、正常な反応性の患者と比べ、高血圧(100% vs 65%、p=0.0062)と虚血性脳卒中既往(43% vs 6%、p=0.0019)の割合が有意に高く、また喫煙率や女性の割合、BMI、年齢が高い傾向にあった。また低反応性患者では、白血球数と血小板数が有意に高かった。

 

これらの結果から研究グループは、クロピドグレル低反応性の患者では、正常な反応性の患者と比べ、グルコース代謝異常が有意に多かったとまとめた。その上で、低反応性を示した患者ではクロピドグレルによる予防効果が不十分な可能性があると結論付けた。

 

 

 

 

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