アルコール依存症治療薬の開発 抗精神病薬、抗てんかん薬などに期待
公開日時 2009/09/08 04:00
米国立衛生研究所(NHI)所属の国立アルコール乱用・アルコール依存症研究所(NIAAA)は、製薬企業とアルコール依存症治療薬の開発に取り組んでいる。
NIAAAはリリー・リサーチ・ラボラトリーズと共同で神経伝達物質サブスタンスPとノイロキニン1受容体を標的とした薬剤を開発中だ。同薬剤は飲酒の欲求を抑制する。
NIAAAはまた、アストラゼネカと共同で非定型抗精神病薬セロクエル(クエチアピン)のアルコール依存症に対するPOC(Proof of Concept=創薬概念の立証)試験を開始した。今年後半にも結果が発表される予定だ。そのほか、UCBの抗てんかん薬ケプラ(レベチラセタム)のPOC試験を実施する計画だ。
2009年APA(米国精神医学会)会議では、アルコール依存症患者の遺伝子多型に基づいた治療法が報告された。グラクソ・スミスクラインのセロトニン5-HT3受容体拮抗剤ゾフラン(オンダンセトロン)がセロトニン輸送担体遺伝子に変異のある患者でよく作用することが明らかになっている。新たな知見に基づく新薬研究に期待が集まっている。
(The Pink Sheet 8月10日号) FDAと米国製薬企業の情報満載 “The Pink Sheet”はこちらから