新規有効成分の承認 6割が外資企業 政策研調べ
公開日時 2017/03/13 03:51
日本製薬工業協会の医薬産業政策研究所(政策研)の調査によると、2016年の新規有効成分含有医薬品(NME)の承認品目数は52品目で、うち外資企業が承認取得したのは33品目と、63%を占めることが分かった。
NMEは、15年より14品目増の52品目で、2010年以降で最も多かった14年の60品目に次ぐ多さ。薬効分類別で最も多いのは抗悪性腫瘍薬で11品目。次いで代謝性医薬品、化学療法剤がいずれも6品目、それに中枢神経系用薬の5品目が続いた。
審査区分別では通常審査は28品目と54%を占め、希少疾病用医薬品は19品目で37%、優先審査(希少疾病用以外)は5品目の8%だった。低分子薬は38品目に対し、バイオ薬は14品目だった。
2016年の新薬承認審査期間は10.1カ月
NMEほか効能追加なども含めた16年新薬承認審査期間は15年より0.2カ月長くなり、10.1カ月(中央値)となった。近年は10カ月前後で安定的に推移している。
NMEほか効能追加なども含めた新薬承認数は125品目(15年106品目)、審査期間は10.1カ月(同9.9カ月)。うち通常審査品目が81品目(同67品目)、審査期間10.9カ月(同10.7カ月)、オーファンドラッグなど優先審査品目は承認数39品目(同30品目)、審査期間8.4カ月(同8.0カ月)と、通常審査、優先審査のいずれの品目の審査期間もわずかに長くなった。
16年の承認数125品目のうち、NMEは52品目(同38品目)で42%を占める。既存製品に対する何らかの追加承認となるものでは、新効能薬品45品目(同51品目)、新用量医薬品11品目(同9品目)、新剤形医薬品1品目(同3品目)、新投与経路医薬品6品目(同2品目)。
これら調査結果は政策研の加賀山貢平、佐藤一平の両主任研究員が、PMDAの公表情報をもとに「近年の新医薬品の承認状況と審査期間-2016年の承認品目を踏まえて-」にまとめ、「政策研ニュース」No.50に掲載したもの。