【診療報酬改定:注目トピック8】がん治療の地域連携を促す
公開日時 2012/05/31 04:00
診療報酬改定で知っておくべきトピックを、ミクス増刊号「医師と話せる診療報酬改定」(3月25日発売)から定期的に紹介するこのコーナー。今回からは重点対策疾患トピックで、当面はがん対策に関する点数を取り上げる。ここでも診療報酬改定全体の潮流である地域連携、チーム医療、在宅医療の重視という方針は同じである。今回はがん治療の地域連携を促す点数について解説する。
1つはがん診療連携拠点病院の地域連携強化。実は、拠点病院は、地域の診療所から紹介されたがんの疑いがある患者を、確定診断しても、「がん診療連携拠点病院加算」(入院初日500点)を算定できなかった。確定診断された患者を受け入れた場合のみ算定できたのだ。しかし、これでは地域医療と拠点病院の連携のあり方としては適切ではない。現場からの制度改善を求める声もあった。
そこで今回の改定では、拠点病院ががんの疑いのある患者を受け入れた場合にも算定できるように改めた。ただし点数は据え置いた。
もう1つは、がん連携パスの策定についても算定しやすくした。改定前のがん治療連携計画策定料(750点)は、入院中にがん連携パスを策定し、退院時に別の医療機関に紹介した場合に限り算定するものだったが、医療現場では、入院後すぐに別の医療機関に紹介というだけでなく、自院の外来で一定期間診療した上で紹介するケースもある。しかし、外来受診中にパスを策定しても算定できなかった。
そこで今回「策定料1」(750点)として、入院中だけでなく、退院後30日以内にパスを策定し、別の医療機関に紹介した場合でも算定できるようにした。さらに病変によりパスの変更を余儀なくされた場合を評価する「策定料2」(300点)を新設した。
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