アクセンチュアはこのほど、Google Cloudと生成ＡＩを活用してビジネスを刷新しようとする企業の支援に乗り出す戦略的な協業体制を構築した。同社は今年６月にＡＩ分野に30億ドルの投資を行っている。Google Cloudとの戦略的な協業はこれを踏まえたもので、注力領域の1つに掲げる医療分野では、業務効率化、介護者や患者の支援、研究開発強化に向けたソリューションを開発するとした。

同社は、データおよびＡＩ関連事業を拡充し、ヘルスケアを含む19業界の企業価値向上を支援する新しい業界ソリューションと構築済みモデルを提供する。Google Cloudとの協業体制では、アクセンチュアの業界や業務機能に関する知見と、Google Cloudの生成ＡＩ領域における様々なテクノロジーを活用し、新たなソリューションを共同で開発する。具体的には、セールス・マーケティング、サプライチェーン、ヘルスケア、小売・消費財、金融サービス、サステナビリティ、セキュリティ、オペレーション・サービスを戦略的重点分野と位置づけている。

◎業務効率化、介護者や患者の支援、研究開発強化に向けたソリューション開発

このうち医療プロセスの改善については、アクセンチュアは医療向けにカスタマイズされた、Googleの大規模言語モデル（LLM）を活用し、業務効率化、介護者や患者の支援、研究開発強化に向けたソリューションを開発する計画。さらに、アクセンチュアはGoogle CloudのテクノロジーやＡＩを活用したClaims Acceleration Suiteを使ってデータを変換し、医療保険と事前承認済の請求処理を合理化する。これにより、「臨床医はより迅速かつ十分な情報に基づいた意思決定を行うことができるようになり、ヘルスケアにおける課題解決につながる」と強調している。

◎アクセンチュア・スウィートCEO　生成ＡＩ導入で「高い効率性と競争優位性」

アクセンチュアのジュリー・スウィート会長兼最高経営責任者（CEO）は、「生成ＡＩは仕事の在り方を変革するだけでなく、情報へのアクセス方法をも変えている。Google Cloudとの協業体制強化により、業界を問わずすべての顧客は、責任ある生成ＡＩの導入を企業全体で加速させて高い効率性と競争優位性をあわせ持ち、飛躍的な成長を遂げることになる」と強調した。

Google Cloudのトマス・キュリアンCEOは、「生成ＡＩは、サプライチェーンの最適化によるサステナビリティの向上やイバーセキュリティの強化などで事業運営を抜本的に改善する能力を備えている。アクセンチュアと連携し、生成ＡＩの導入から価値創出に至るまでに必要な、高度なテクノロジーと専門知識を顧客に提供する」とコメントした。