中外製薬 バイオ原薬製造棟を改造へ 生産能力向上と脱フロン化 総投資額は約200億円
公開日時 2023/12/20 04:50
中外製薬は12月19日、グループ会社である中外製薬工業の浮間工場(東京都北区)にあるバイオ原薬製造棟「UK3」について、生産能力向上と脱フロン化に向けた設備投資を行うと発表した。技術革新への対応などによりUK3の生産能力を約3倍に増強し、バイオ原薬の供給スピードやフレキシビリティの向上で自社創製品の上市の加速化につなげる狙い。同時に環境対策として脱フロンを実現する設備更新を行い、製造停止期間の短縮を図る。総投資額は203億円。2026年5月から工事を始め、27年6月の製造再開を目指す。
UK3は第3相臨床試験から初期商用までのバイオ原薬の製造を担う。同社は臨床開発から初期商用生産まで一貫した供給基盤の構築を掲げて積極的な設備投資を進めている。2030年に向けた成長戦略の下、研究所から生み出される開発品の増加が見込まれる中、自社供給キャパシティの拡大と効率化を目指すとしている。
奥田修代表取締役社長CEOは「当社は2030年に向けて『R&Dアウトプット倍増』と『グローバル品毎年上市』というチャレンジングな目標を掲げている。この目標達成に向けて、独自の創薬技術から得られるアウトプット増大を製造面から支える強固な自社供給基盤が不可欠だ」と強調。また、グループ全体でのフロン類削減目標達成に向け、UK3の脱フロン化が寄与するとして「UK3の改造工事により、環境への配慮と患者さんへの供給の両面でサステナブルな製造設備を実現する」とコメントしている。