エーザイ 痙性斜頸に用いるB型ボツリヌス毒素製剤ナーブロック 27日に新発売
公開日時 2013/03/27 04:02
エーザイは3月26日、痙性斜頸を適応症とするB型ボツリヌス毒素製剤ナーブロック筋注2500単位(一般名:B型ボツリヌス毒素)を27日に新発売すると発表した。一定の症例数に達するまで全例調査を実施する。同剤は2011年1月に製造販売承認を取得していたが、導入元の米国ソルスティス ニューロサイエンス社の製品供給体制が整わず、エーザイは薬価収載手続きと発売を見合わせていた。安定供給体制が整うまで、異例の長さを要したことになる。
痙性斜頸は頸部筋の異常収縮によって、頭位偏倚、振戦、脊柱側彎、頸部痛などの症状がある。治療にはボツリヌス治療、抗コリン薬、筋弛緩薬などの内服療法や外科的手術などがあるが、ボツリヌス治療は海外の治療ガイドラインで第一選択肢となっている。
日本ではグラクソ・スミスクラインがA型ボツリヌス毒素製剤ボトックスを販売中。ボツリヌス毒素にはA~G型まで7種類あり、基本的に筋弛緩作用があることに変わりはないが、作用点が異なるという。海外データによると、A型ボツリヌス毒素製剤で治療抵抗性を示した患者にB型ボツリヌス毒素製剤で治療したところ、有用性が確認された例もある。
エーザイは今回の新発売にあたり、ソルスティス社からの中間製品の安定供給体制が整ったことのほか、「ナーブロックを新たな治療オプションとして提供することにより、更なる患者貢献を果たしていく」とコメントした。痙性斜頸の国内患者数は、様々なデータがあるが、同社は約1万人と推計している。
エーザイは2000年9月、アイルランドのエラン社から同剤の日本における独占的開発・販売権を取得した。その後、エラン社はソルスティス社に同剤の権利を承継している。