日医 豪雨でJMATを岡山県に派遣 熱中症やPTSDなどに注意を
公開日時 2018/07/17 03:50
日本医師会は7月13日、西日本を中心とした豪雨で大きな被害を受けた岡山県に対し、JMATを派遣した。同日開いた「被災者健康支援連絡協議会」で報告した。今後については、連日の暑さによる熱中症や感染症対策、それにDVT(深部静脈血栓症)対策、PTSDなど健康管理が重要だと指摘した。
被害が大きかった岡山県では、岡山県医師会の2チームがJMATとして活動しているが、さらに支援が必要だとして、JMATの派遣を要請していた。これを受けて、日医が全国の都道府県医師会に派遣を要請しており、この日から各都道府県医師会がJMATとして順次現地入りする。当面の間、1日8チーム体制を維持するという。この日現地入りしたのは福岡県医師会のチームで、14日には、被災地のJMATを統括する兵庫県医師会のチームが加わる。
岡山県医師会の松山正春会長は、「避難が長引くにつれPTSDのような症例が出ているほか、片づけ作業時の傷の手当のニーズもある」と述べ、災害の発生当初と比べ、医療ニーズが変化しつつあると訴えた。
この日開かれた協議会には、被災地から、岡山県のほか広島県や愛媛県の医師会もテレビ会議システムを通じて参加した。いずれの県も断水の被害による影響が大きいとして、行政に対し、水の供給を支援するよう強く訴えた。日医の横倉義武会長は、「現地の実情にあった支援を行っていきたい」と述べ、引き続き支援に取り組む考えを示した。
◎1府5県で84医療機関が被害を報告 厚労省
厚労省によると、精神科病院を除く医療施設の被害状況(12日12時現在)は、広島、岡山、愛媛、長崎、京都、福岡の1府5県で84施設に上る。主な被害は断水や停電で、浸水や周囲が冠水した施設もあった。このうち現在も支援が必要な医療機関数は67施設あるという。