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第一三共 再発・転移性乳がんで「DS-8201」のフェーズ2開始 HER2標的の抗体薬物複合体

公開日時 2017/08/31 03:50

第一三共は8月30日、開発中のHER2に対する抗体薬物複合体「DS-8201」について、HER2陽性の再発・転移性乳がん患者を対象としたフェーズ2(試験名:「DESTINY-Breast01」)を開始したと発表した。トラスツズマブ、ペルツズマブ、トラスツズマブ エムタンシンなどHER2を標的とする既存の抗がん剤治療を受けた後に進行したケースにおける治療薬を目指す。

主要評価項目は「腫瘍が完全に消失または30%以上減少した患者の割合」を指す客観的奏効率。日本、北米、欧州、アジアなどにおいて230名以上の患者を登録する予定という。なお、同剤がHER2陽性の再発・転移性乳がんの治療を対象に、FDAから「画期的治療薬(Breakthrough Therapy)」の指定を受けたと、第一三共は同日に発表した。

抗体薬物複合体は、抗体医薬と低分子医薬を結合させたもので、がん細胞に発現している標的因子に抗体医薬が結合し、それを介して低分子医薬をがん細胞へ直接送達し、がん細胞への攻撃力を高めるとされる薬剤。

第一三共は、HER2発現の胃がん、大腸がんなどでの試験や他剤との併用療法試験を積極的に進めるとしている。8月29日には、同社と米ブリストル・マイヤーズ スクイブは、抗PD-1抗体オプジーボ(一般名:ニボルマブ)と「DS-8201」の併用療法を評価するための臨床試験の共同実施に関する契約を締結し、欧米で2017年度第4四半期(2018年1~3月)に両社でフェーズ1を開始する予定と発表している。

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