緑内障 患者判断で治療中断18.7% 特に40代男性に多く ファイザー調査
公開日時 2012/10/03 04:02
ファイザーは10月2日、緑内障患者のうち、患者自身の判断で点眼治療を中断したことがある人の割合(=中断率)が18.7%だったとの調査結果を発表した。中断患者は特に40代男性に多く、4人に1人との結果だった。点眼治療の中断理由は「大した症状がない」「治療効果が実感できない」などで、疾患や治療への理解度が全般的に低い傾向もみられた。緑内障は中途失明原因の1位だが、服薬アドヒアランス向上への取組みの必要性が示された格好だ。
調査は医療機関で緑内障と診断され、緑内障治療の点眼薬を処方されたことのある患者900人を対象に実施した。内訳は40代、50代、60代の男女各150人ずつ。調査日は9月12日で、インターネットで実施した。
その結果、患者自身の判断で点眼治療を中断している人は12.7%(114/900人)、一時的な中断経験者も含めると中断率は18.7%(168/900人)だった。特に40代男性では150人中38人が中断しており、その割合は25.3%と最も高かった。点眼治療の中断者のなかで、1年以上中断した人は44.6%(75/168人)。1年以上点眼治療を中断した人の平均中断期間は4.5年、最長で25年だった。中断理由をみると、上位から、「大した症状がない」が44.6%(75/168人)、「継続受診が面倒」が35.7%(60/168人)、「治療効果が実感できない」が33.3%(56/168人)――だった。
点眼治療中断者と治療継続者に疾患や治療への理解度を聞いたところ、「点眼治療中断による視野欠損進行のリスクがある」や「視神経の細胞が死んでいく病気」といった理解度で、中断者は継続者に比べて理解度が20ポイント程度低かった。医師から、中断リスクの説明を受けたかどうかでは、継続者でも44.5%と半数以下だったが、中断者ではさらに低く29.2%に留まった。中断者168人に、「きちんと理解しておけば治療を中断しなかった項目」を挙げてもらったところ、「点眼治療中断による視野欠損進行リスク」が4割超と最も多く、正しい疾患理解が服薬アドヒアランス向上につながる可能性が示された。
また同社は同日、緑内障点眼薬の服薬アドヒアランスに関する調査「GRACE」の中間的な取りまとめも公表した。その結果、配合点眼薬への切り替えにより、有意な服薬アドヒアランスの向上が認められ、服薬アドヒアランス不良患者では配合点眼薬への切り替えで68.9%が服薬忘れの回数が改善したとしている。