GSK パキシルのオフラベルプロモーション、アバンディアのデータ隠ぺいなどで30億ドルの和解金支払い
公開日時 2012/07/04 04:00
グラクソ・スミスクライン(GSK)は、抗うつ薬・パキシル(一般名:パロキセチン)、Wellbutrin(ブプロピオン)のオフラベルでの使用についてのプロモーション活動と、糖尿病治療薬・アバンディア(Avandia、ロシグリタゾン)での安全性データの隠ぺいを認め、米司法庁の求めに応じ、約30億ドルの和解金支払いに応じたことが7月2日分かった。医薬品関連での同様の支払い額としては、2009年にファイザーの23億ドルを超え、過去最高額という。GSKは、米当局との和解について基本合意したことを昨年11月に発表していた。
総額30億ドルの内訳は、10億ドルが含む刑事上の罰金などで、残り20億ドルが民事関連の支払いとされる。民事訴訟は、3剤に加え、抗ぜんそく薬・アドエアなどを含む9製品が対象という。
さらに、これまでに見られなかった処置として、米保健省との間で5年間のコンプライアンスに関する合意を締結し、経営陣は本人や部下に重大な違法行為があった場合ボーナスを失うこととした。また、販売担当者の給与は売り上げ目標でなくサービスの質を基礎に決定することとしている。
パキシルについては、同社が臨床試験の虚偽の結果を医療専門誌で出版するなどして、小児への投与を推奨し、自殺のリスクが高まることを公表しなかったとしている。ただし、その後、10代の若者については、自殺などのリスク上昇がみられることから、警告が追加されている。
オフラベル使用のプロモーションでは、医師の処方に応じて、キックバックを行っていたという。
アバンディアは、心血管リスクの上昇との関連が指摘されていたものの、一部の安全性データをFDAに報告しなかったなどとされている。