新薬8成分承認 新規腎細胞がん薬、5番目のDPP-4阻害薬も
公開日時 2012/07/02 04:02
厚労省は6月29日、新薬8成分15品目を承認した。今回の承認の中にはファイザーの新規腎細胞がん治療薬インライタ錠がある。同剤は進行腎細胞がんの分子標的薬で1日2回の経口薬。国内では進行腎細胞がんの分子標的薬では5製品目、ファイザーにとってはスーテント、トーリセルに続く3製品目となる進行腎細胞がんの分子標的薬で、セカンドラインの標準薬を目指すことになりそう。また、アステラス製薬の新規前立腺がん治療薬ゴナックス皮下注も承認となった。
(今回承認されたインライタ、ゴナックスについては競合状況、関連市場の動きなど、編集部の独自分析した資料をミクスOnlineプレミア会員向けに公開しています。)
インライタは こちら ゴナックスは こちら
承認された新薬は次のとおり。今回承認は4月から6月にかけての4回の医薬品部会を通過したもの。オーファンドラッグはなかった。
▽レキップCR錠2mg、同8mg錠(一般名:ロピニロール塩酸塩、グラクソ・スミスクライン):「パーキンソン病」を効能・効果とする新剤型・新用量医薬品。再審査期間4年。
非麦角系ドーパミンD2受容体作動薬の徐放性製剤。既存薬が1日3回に対し1日1回。
▽テネリア錠20mg(テネリグリプチン臭化水素酸塩水和物、田辺三菱製薬):「2型糖尿病」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。
これはDPP-4阻害薬で、国内5番目となる。1日1回。併用可能薬としてはスルホニルウレア剤、チアゾリジン系薬剤。第一三共と共同販売する。
▽ゴナックス皮下注80mg、同120mg(デガレリクス酢酸塩、会社名:アステラス製薬):「前立腺がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。
腫瘍の増殖を促す男性ホルモンのテストステロンの産生を低下させ、腫瘍の増殖を抑えるとされる。テストステロンの産生に関わるGnRH受容体へのGnRHホルモンの結合を阻害するGnRH受容体拮抗薬。4週に1回投与する。同省によると、類薬のリュープロレリン(LH-RH誘導体)とは非劣勢。
▽コルベット錠25mg(イグラチモド、富山化学)、ケアラム錠25mg(同、エーザイ):「関節リウマチ」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。
炎症を起こす原因と考えられる免疫異常などをコントロールすることで効果を発揮すると考えられ、疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)と呼ばれる薬剤。治験では、メトトレキサート(MTX)による治療で効果不十分な患者を対象に治験を実施し、MTX 単独群に比べて、統計学的有意差をもってMTX 上乗せ使用時の有効性を確認している。
▽アミティーザカプセル24μg(ルビプロストン、スキャンポファーマ):「慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。
慢性便秘とは、1年の間に12週以上の便秘があった場合を指す。同剤は、クロライドイオンチャネルを活性化し、腸管の水分分泌を促すことで効果を発揮する。日本ではアボットが販売権を持つ。
▽ソマチュリン皮下注60mg、同90mg、同120mg(ランレオチド酢酸塩、帝人ファーマ):「先端巨大症・下垂体性巨人症(外科的処置で効果が不十分な場合または施行が困難な場合)における成長ホルモン、IGF-I(ソマトメジン-C)分泌過剰状態及び諸症状の改善」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。
▽インライタ錠1㎎、同5㎎(一般名:アキシチニブ、会社名:ファイザー):「根治切除不能又は転移性の腎細胞がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。
同剤は、腫瘍の増殖などに関与していると考えられる血管内皮細胞増殖因子(VEGF)受容体1、2、3を選択的に阻害し、増殖を抑えるとされる。治験では一次治療に抵抗を示した患者に対して有効性、安全性を検証した。
▽オーキシス9μgタービュヘイラー28吸入、同60吸入(ホルモテロールフマル酸水和物、アストラゼネカ):「慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。再審査期間4年。
アストラゼネカは製造、MeijiSeikaファルマが流通、販売、プロモーションを担当する。