ノバルティスの高血圧治療薬ラジレス 欧州で添付文書改訂へ 日本はPMDAと協議中
公開日時 2012/02/23 04:01
ノバルティスファーマは2月22日、同社の高血圧治療薬ラジレスについて欧州医薬品委員会(CHMP)からの指示を受け、添付文書を改訂すると発表した。CHMPが同剤および同剤の配合剤のリスクベネフィットに関する再調査を実施した結果によるもので、糖尿病患者および、または中等症から重症の腎機能障害を合併した患者で、ラジレスまたは同剤の配合剤とACE阻害剤またはARBとの併用を禁忌とするよう指示したもの。米FDAを含む各国の保健当局と協議を始めており、日本でも現在PMDAと協議中という。
添付文書の改訂の対象となる製品は、ラジレス、Sprimeo、Riprazo、Rasilez HCT、Sprimeo HCT、Riprazo HCT、Rasilamlo(ラジレスとアムロジピンの配合剤)、Rasitrio(ラジレス、アムロジピンとヒドロクロロチアジド〔HCT〕の配合剤)。
これは、ノバルティスが実施したALTITUDE試験の中間解析結果を受け、11年12月にノバルティスが試験中止を決定後、CHMPとの集中協議にもとづき改訂を決定したもの。CHMPのデータモニタリング委員会(DMC)による中間解析審査で、同試験に参加した患者で、ラジレスによる治療がベネフィットをもたらす可能性は低く、また同試験の対象となったハイリスク患者では、非致死性脳卒中、腎合併症、高カリウム血症、低血圧の発現頻度が高かったと結論づけられたことから、同試験の早期中止を決定。これをうけて、11年12月からCHMPによる同剤のリスクベネフィットに関する再調査が開始されていた。
これを受け、ノバルティスは11年12月から全世界の医師に向けて、2型糖尿病患者でラジレスをまたは同剤含有製剤とACE阻害剤またはARBを併用しないよう、書面で注意喚起を行ってきたという。なお、今回の改訂で、CHMPはラジレスまたはラジレスの配合剤とACE阻害剤またはARBの併用について、添付文書上で注意喚起を行う指示を受けたとしている。