中医協 診療報酬改定で厚労相に意見書 「協議会の議論踏まえ改定率の設定を」
公開日時 2011/12/08 04:01
中医協は12月7日の総会で、2012年4月実施予定の診療報酬改定の意見書をまとめ、小宮山洋子厚生労働大臣に提出した。賃金・物価動向はマイナス基調にあるものの、質の高い医療の提供が必要だとしたうえで、診療側委員は、前回以上の診療報酬全体(ネット)の引き上げ(前回は0.19%)を求めたのに対し、支払側は「引き上げ」には反対し、勤務医の負担軽減策などより対策が必要な領域への財源の配分で対応するよう求め、両論併記の形となった。
両論併記とはいえ、行政刷新会議の政策仕分けで、診療報酬「本体」に対し「据え置き」「抑制」の意見が示されたことに対する反発を強くにじませた。厚労相に対し「協議会の議論を踏まえ、平成24年度予算編成に当たって、診療報酬改定に係る改定率の設定に関し適切な対応を求める」とし、あくまでも中医協の意見を尊重するようクギを刺した。支払側も反対したのは「ネットの引き上げ」であり、診療側の意見も踏まえると、本体も薬価も引き下げてのネットマイナス改定まで望んでいない。
改定率は、下旬の来年度政府予算案決定までに、政府内での検討が本格化する。(写真:報告書は森田会長=左=から厚労相の代理として外口保険局長に手渡された)