スマホ持つ医師は4人に1人 医学系アプリの利用少なく メドピア調査
公開日時 2011/10/13 04:01
医師限定コミュニティサイト「MedPeer」を運営するメドピアはこのほど、医師のスマートフォン及び医学系アプリソフトの利用実態に関する調査結果をまとめた。スマートフォンの利用者は回答医師全体の4人に1人で、このうち医学系アプリをよく利用しているとの回答は3割強となった。ただ、医学系アプリを利用しているとの医師のコメントをみると、アプリの利用というよりは、検索機能を利用しているとの内容が多くみられ、実際の医学系アプリ利用者はもっと少ない可能性がありそうだ。メドピア会員医師は約3万8000人。
調査は8月1日~7日に実施した。有効回答数は2252件。調査は会員医師が他の会員医師に日常診療の素朴な疑問を聞いて行うもの。今回は携帯電話を持っている医師が、スマートフォンの使用実態や購買意向に加え、スマートフォンでどの程度医学系アプリを活用しているのかなどを質問した。タブレット型端末は除外して回答するよう注記して回答を求めた。
◎半数近くの医師 スマホに乗り換える気ない
その結果、「携帯電話を使用していてスマートフォンに変える予定はない」との医師が最も多く、全体の46%を占めた。「特に困っていない」(50代、一般内科)、「医師の携帯・PHSは『確実につながる』ことが重要。アプリが豊富でも電話しにくいと現状役に立たない」(40代、一般内科)、「スマートフォンは入力がしにくく、パソコンの代用には難がある」(30代、一般内科)など、スマートフォンの必要性を感じていないとの主旨のコメントが多かった。なお、▽携帯電話とタブレット型端末――を併せて持っているとのコメントも少数ながら見られた。
次いで多かった回答は「携帯電話を使用しているが、今後スマートフォンで医学系アプリを利用したい」で、全体の22%を占めた。「興味がある」「便利そう」「面白そう」と期待する声が多いものの、「料金が高い」「使い勝手が不安」との受け止めも多かった。
◎医学系アプリを使わない理由 「良いアプリがない」「使い勝手悪い」「画面小さい」
一方で、スマートフォン利用者は全体の27%(592人)だったが、医学系アプリの利用については賛否が割れた。この592人の内訳は「医学系アプリは利用したことはない」が52%(307人、回答医師全体の14%)、「以前は医学系アプリを利用していたが、使いづらいので今は使っていない」が14%(83人、全体の4%)、「医学系アプリを大いに利用している」が34%(202人、全体の9%)――だった。
医師のコメントをみると、「医学系アプリを利用したことがない」との医師からは「もう少し使い勝手がよくなったら」(30代、小児科)や「良いアプリが皆無」(40代、一般内科)、といったコメントが散見され、医学系の情報はパソコンで事足りているとのコメントが多く見られた。「アプリを以前使っていたが、今は使っていない」との医師からも、「スピードが遅くて見にくい」(40代、消化器内科)や「画面サイズが小さく使い勝手が悪いと感じた。現在はタブレットを利用」(40代、一般内科)など、画面の小ささから利用頻度が減り、使わなくなったとのコメントが多く寄せられた。
ネガティブな意見が多いなかで、「医学系アプリを大いに利用している」との医師はどのように活用しているのだろうか。コメントをみると、「各種計算ソフトや薬剤情報など、今や日々の診療に欠かせない」(30代、循環器内科)との書き込みが見られるものの、「マニュアルやガイドラインをインストールし、必要に応じて外来などで確認」(40代、一般内科)、「薬剤などを調べるのに使っている」(50代、一般内科)、「主に添付文書や論文検索などに使っている」(40代、皮膚科)など、アプリの利用というよりはネット検索機能を活用していると受け止められる書き込みが多く見られた。