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アクトスの膀胱がんリスク問題でEMA 最終判断を7月に持ち越し

公開日時 2011/06/24 04:03

欧州医薬品庁(EMA)は23日(現地時間)、チアゾリジン系経口糖尿病治療薬・アクトス(一般名・ピオグリタゾン、武田薬品)服用による膀胱癌発生リスクの評価について、最終判断を7月に持ち越すとの声明を発表した。


アクトスについては6月9日、フランス保健製品衛生安全庁(Afssaps)が、国内でのレトロスペクティブ解析結果から服用患者での膀胱癌リクス上昇するとの判断から、同薬とメトフォホルミンの合剤の新規処方差し止めを通達。翌10日にはドイツの連邦医薬品医療機器庁(BfArM)も同様の通達を出した。EMAのヒト医薬品委員会(CHMP)は、これらを受けて20日からEU全域での今後のアクトス使用の影響について評価を行っていた。


声明では、CHMPはフランスの疫学データによればアクトス服用で僅かながら膀胱癌のリスクが上昇することを示しているとしたが、この分析には方法論的限界もあると指摘。現在入手可能な全てのデータを含めた流れでの総合的な検討が必要との見解を示した。


そのうえで糖尿病・内分泌科学諮問グループに対して、7月上旬にアクトスによる膀胱癌リスク上昇の是非とリスクの最小化対策を検討するよう要請。その検討結果を待って最終判断を行うとの方針を表明した。 なお、フランスの疫学データは、当局が国内の保健データベース(SNIIRAM)内の約150万人の糖尿病患者(40~79歳)のうち、06~09年のデータを用いて行った膀胱癌発症率比較のレトロスペクティブな疫学研究・CNAMTSの全体解析に基づくもの。


同研究によると、アクトス投与患者約16万人では、非投与患者約133万人に比べて、ハザード比1.22で膀胱癌の発症率が有意に高い結果が得られている(95%CI:1.05-1.43)。
 

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