第一三共 抗体医薬デノスマブ がん骨転移用治療薬で国内申請
公開日時 2010/08/26 04:02
第一三共は8月25日、骨関連疾患に用いる完全ヒト型モノクローナル抗体製剤デノスマブ(一般名、開発コード:AMG162)について、「がん骨転移による骨病変」で国内申請したと発表した。申請日は24日。同剤は、がん細胞の増殖にも関係する、破骨細胞の形成・活性化を抑制するメカニズムを持つ。がんの骨転移を抑制する効能を目指した国際共同P3試験の結果を基に、今回、国内申請した。
同剤は米アムジェンが創製した抗体医薬で、第一三共が2007年7月に日本国内の独占開発・販売権を取得した。第一三共も国際共同P3試験に参加、今年5月から米国や欧州などで相次いで申請され、第一三共も国内申請した。世界同時申請が概ね達成したことになる。
国際共同P3試験には世界から、骨転移のある▽乳がん患者▽前立腺がん患者▽その他固形がんの患者――が参加し、日本からは骨転移のある乳がん患者100例強が組み入れられた。
第一三共では、経営資源を集中投下して開発のスピードアップを図る最優先開発プロジェクトが3つあり、そのひとつがデノスマブとなっている。デノスマブは、がん骨転移のほかに、骨粗しょう症の適応取得を目指して国内P3試験が進行中。なお、ほかの最優先開発プロジェクトは抗血小板薬プラスグレル(CS-747)と抗凝固薬エドキサバン(DU-176b)。