アストラゼネカ RSV薬承認勧告されず、試験の優位性に焦点
公開日時 2010/06/17 04:00
アストラゼネカ子会社のメドイミューンは、同社期待のRSウイルス感染症治療薬Rezield (motavizumab) が、FDA抗菌薬諮問委員会(ADAC)から承認を勧告されず、「審査完了通告」を受けたが、同社は今後も別の臨床試験を実施するか検討を続行する。
ADACは14対3で承認勧告しなかったが、委員らは、▽安全性、▽米国での試験対象集団がナバホインディアンとホワイトマウンテンのアパッチインディアンのみで集団としての偏り、▽同社の既存品RSウイルス感染症治療薬Synagis (palivizumab)との対照で非劣性を示すことを検証し、優位性を示していない――などに懸念を示した。
メドイミューンは、試験集団の偏りの指摘に対しては、「これらの集団ではRSV感染症の罹患率が特に高く、FDAの承認を得ている」と説明している。
諮問委員会の決定を受けて、FDAはメドイミューンに追加データを求める可能性がある。同社は再チャレンジするだろうが、他社も臨床試験で自社製品の優位性をどのように示したら良いのかを考えざるを得なくなる。
(The Pink Sheet 6月7日号より) FDAと米国製薬企業の情報満載 “The Pink Sheet”はこちらから