効能追加で難しくなるProliaの価格
公開日時 2010/06/15 04:00
アムジェンの抗RANKL阻害剤Prolia (denosumab) が米FDAに承認されたが、競争が激しい骨粗鬆症治療薬市場だけに同剤の価格の高さが問題になりそうだ。
Proliaの卸購入価格は、年間1,650ドルで、同市場主要製品のReclast (ゾレドロンネート)1.100ドル、アクトネル(リセドロネート)およびBoniva(ibandronate)1,200ドルよりも高い。また、同剤は、標準薬Fosamax (アレンドロネート) のジェネリック医薬品とも競合する。アムジェンは価格決定について、骨粗鬆症だけでなく、今後の効能追加など付加価値を考慮、骨粗鬆症での第1選択のポジションを犠牲にしたという。
アムジェンは今年5月にFDAにSRE(がん転移に伴う骨関連イベント)の適応で生物製剤申請(BLA)を行った。JPモルガンのアナリストは、前立腺がんの骨転移予防はピーク時で13億ドルと予測している。同剤のがん分野での適応の価格は承認後に決定されるが、年20,000ドル程度と予測される。しかし、データモニターは、骨粗鬆症の適応だけでも2019年までに8億6,300万ドルを売上、がん関連の適応が加わるとその2倍に達すると強気の予想をしている。
(The Pink Sheet 6月7日号より) FDAと米国製薬企業の情報満載 “The Pink Sheet”はこちらから