米J&J子会社のマクニール 新たに幽霊回収疑惑?
公開日時 2010/06/02 04:00
米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の一般用医薬品子会社マクニール・コンシューマー・ヘルスケアが08年に同社の小児用解熱鎮痛剤Motrin(イブプロフェン)の実質的な回収を行っているにもかかわらず、回収でないことを装った疑いが新たに浮上してきた。米連邦議会監視・政府改革委員会(COGR)が、5月27日(現地時間)に開催した同社の小児用解熱鎮痛剤タイレノールなど4製品の米市場での回収問題についてのヒアリングで米FDAが明らかにした。
ヒアリングでは、米J&Jコンシューマー・グループのColleen Gogginsワールドワイド会長が出席し、タイレノールなどの回収問題について陳謝を表明。指摘されたGMPコンプライアンス順守と品質管理の向上に努力を約束した。
FDAは、同問題とは別に、同社が08年11月Motorinに品質上、問題を発見した際に、コンサルタント業者を雇用し、薬局などで同剤を大量に購入させたと指摘した。
コンサルタント業者社員の1人がメモを店舗に落としたが、それに「普通の客を装え。これが回収だと言ってはならない」とあったことも説明。同社は、同製品購入は製品サンプルを集める目的だったと釈明した。
COGRのEdolphus Towns委員長(民主党、ニューヨーク州選出)は、この回収を“幽霊回収(Phantom Recall)”と呼んだ。今回の回収問題はさらに根深さを見せ始めてきた。