AZとJ&J 国内初の消化器内視鏡時の鎮静システムを共同開発へ
公開日時 2010/05/27 04:01
アストラゼネカ(AZ)とジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は5月26日、消化器内視鏡検査やポリープ切除術(以下、消化器内視鏡)実施時における鎮静システムの日本導入を目指して、共同開発契約を締結したと発表した。J&Jが開発中のコンピュータ制御による鎮静システム「CAPS」で使用する薬剤に、AZの全身麻酔・鎮静用剤「1%ディプリバン注」(一般名:プロポフォール)を用いる内容の契約で、今後、両社間で開発計画を詰める。J&JはCAPSの承認取得を、AZは同剤で、消化器内視鏡実施時におけるCAPS使用下での鎮静の効能追加を目指すことになる。
世界では消化器内視鏡の際に、麻酔科医によって、麻酔のほかに、患者の不安軽減などのための鎮静処置も一般的に行われている。しかし、日本では、消化器内視鏡時の鎮静の承認を取得している薬剤はない。
CAPS(コンピュータ支援下個別鎮静システム)はJ&Jが開発している医療機器で、コンピュータで患者ごとに薬剤投与量を調節するとともに、生体モニタリングや患者への酸素供給も行う。鎮静処置などの際に、麻酔科医が不足している日本では有効な機器となる可能性がある。
一方、ディプリバンは日本で、「全身麻酔の導入及び維持」と「集中治療における人工呼吸中の鎮静」の適応を持つ静脈投与麻酔剤の標準薬。体内からの消失が速やかなため、投与終了後の覚醒が早いなどの特長がある。世界では消化器内視鏡実施時の鎮静剤としても広く使われるが、日本では、医療環境の側面もあって、この適応を取得していない。