ジェンザイム 遺伝子検査、診断製品、医薬中間体の各事業から撤退へ
公開日時 2010/05/12 04:00
ジェンザイム社はこのほど、非コア事業の遺伝子検査事業、診断製品事業、医薬中間体事業から年内にも撤退する方針を固めた。
先天代謝異常や遺伝難病などを主力とする同社は、昨年6月、アメリカ・ボストンのオールストン工場のバイオリアクターからCHO(Chinese hamster ovary)細胞の培養を妨げるウイルスが検出され、除去作業のため工場の操業を一時停止。その後、操業再開したものの、同年11月にはオールストン工場で今度は異物混入が発覚するなどし、主要製品のゴーシェ病治療薬セレザイム(一般名・イミグルセラーゼ)、ファブリー病治療薬ファブラザイム(一般名・アガルシダーゼベータ)などの供給に大幅な影響をきたしていた。
この結果、一部では患者が他社の代替品に切り替えるなどの患者離れを招き、米FDAからは度重なる品質管理問題の罰金として1億7500万ドルを支払うよう提案されていた。
またこの混乱を見透かしたかのようにヘッジファンドのアイカーン・パートナーズを運営し、企業乗っ取り屋の異名をもつカール・アイカーン氏が同社株式を買占め、ヘンリ・A・タミアー会長兼最高責任者の辞任を迫り、ジェンザイム側がアイカーン氏をけん制するため、ヘッジファンドのリレーショナル・インベスターズの責任者ラルフ・ホイットワース氏を取締役に加えるという事態にまで発展していた。
今回の非コア事業からの撤退はこうした一連の混乱収拾策の一環と見られている。