厚労省内事業仕分け PMDA対象に実施
公開日時 2010/04/23 04:02
厚生労働省は4月22日、第4回省内事業仕分けを行い、医薬品医療機器総合機構(PMDA)を取り上げた。民間の仕分け人は、ドラッグ(デバイス)・ラグの解消に向け、審査員の人材育成を含め体制強化が必要との認識で一致した。日本の審査基準を世界に発信するなど国際戦略を見据えて体制強化することを求める意見も上がった。
PMDAに対しては▽人員増強が、ドラッグ(デバイス)・ラグの短縮などの成果に結びついているか▽同ラグ解消に向け、機能強化に向け、どんな創意工夫が行われているか▽出向職員が約2割を占めることについてどう評価するか--の観点から約1時間の仕分け作業が行われた。
この日の6人の仕分け人の評価は、医薬品、医療機器の承認審業務に対しては「(PMDAが示す)改革案では不十分」としたのが4人だったが、基本的には新薬や医療機器を早く導入するために「重要な組織」との認識を各人が持っており、PMDAの改革を後押しすべきとのスタンスからの評価となった。
職員599人のうち、厚生労働省からの出向職員が約2割の119人を占める体制については、PMDAの川尻良夫理事が、新規採用者が育成するまでの「過渡期」としたが、その期間は「10年以上かかる」と説明。それに対し日本弁護士連合会の赤沼康弘氏は内部人員の育成強化を求めた。
PMDAの近藤達也理事長は終了後、記者団に対し、改革が不十分との意見について「そのとおりで、当然の意見」とし「攻撃的な組織として世界に向かってしっかりとやっていきたい。ご意見は追い風である」と語った。行政刷新会議による事業仕分けにも一層の改革の必要とのスタンスで臨むとの姿勢を見せた。
同省によると、省内事業仕分けは、行政刷新会議対策ではなく、省自ら改革を実施するために行うもの。ここでの意見を参考に大臣をはじめとする政務三役が最終決定する。