薬食審・第二部会 ノバルティスの腎細胞がん治療薬が通過
公開日時 2009/12/01 04:01
厚生労働省の薬食審・医薬品第二部会は11月30日、ノバルティスファーマの腎細胞がん治療薬アフィニトール(一般名:エベロリムス)と大鵬薬品の乳がん治療薬アブラキサン(パクリタキセル)の承認を了承した。
アフィニトールは、がんの増殖や血管新生の調節因子であるmTORを阻害する分子標的治療薬。根治切除不能又は転移性の腎細胞がんが適応となる。同領域には、ネクサバール(バイエル薬品)とスーテント(ファイザー)があるが、アフィニトールはこれら先行薬剤での再発・無効例などをターゲットに開発しており、セカンドラインやサードラインとして使用されるという。ただ、間質性肺疾患の副作用が治験段階で頻度が高くみられたことや、服用しやすい経口剤であるため、承認条件に全例調査の実施や市販後安全管理の徹底、化学療法に精通した医療機関で投与することなどを求めることとした。免疫抑制剤サーティカンと同一の成分で、欧米ほか8ヵ国で承認されている。
パクリタキセルの添加剤にヒト血清アルブミンを使用したアブラキサンも通過した。タキソールの添加剤として使用されていたヒマシ油の一種や無水エタノールをヒト血清アルブミンに変えたことで、ヒマシ油やアルコール過敏症の患者でも使えるようにしたことなどが特徴。国内の治験症例数が12例と少ないことから、承認条件に全例調査を義務付けることとした。