第一三共4-9月 クラビットの売上9.3%増
公開日時 2009/11/02 04:00
第一三共が10月30日の発表した10年3月期第2四半期(4-9月)決算では、5月にジェネリック(GE)が発売された抗菌剤クラビットの国内売上高は前年同期より9.3%増の214億円の増収となった。耐性菌の抑制効果を狙いに高用量(500mg)製剤を7月に発売し、徹底した販促をかけたことが奏効し、当初計画を4億円上回った。通期では前年より2.3%増の計画を変えず440億円を見込む。
高用量製剤は、500mgと250mgの錠剤と細粒10%。同社によると、クラビット500mg 1日1回投与法は、従来の100mg 1日3回投与法と比較して最高血中濃度を上げることにより、殺菌作用が増強され、耐性菌の出現を抑制することが期待できるといいう。そこを医療現場に訴え、浸透を図った。同社は28日、クラビットの有効成分であるレボフロキサシン水和物の注射剤を厚生労働省に承認申請した。主に肺炎及び慢性呼吸器病変の2次感染への適応が視野にある。GE防衛にとどまらない、新たな使い方を提供する製品ライフサイクルマネジメントの一環だ。
第2四半期業績は、インドのランバクシー社(=ラ社)を連結子会社にしたことで661億円が売上高にかさ上げされたことで増収となったものの、海外売上高が円高の影響で目減りしたことや、ラ社連結による原価率の高まり、研究開発費の増などで2桁減益となった。通期予想は、前年はラ社株評価損などで赤字となったが今期は黒字に転換し400億円を計画し、増収増益を見込む。
〔連結業績(前年同期比)通期予想(前年同期比)〕
売上高 4705億6800円(15.8%増)9600億円(14.0%増)
営業利益 508億5000万円(17.5%減)960億円(8.0%増)
経常利益 522億5900万円(12.4%減)690億円(25.1%増)
純利益 186億9100万円(45.0%減)400億円(―)
〔グローバル製品売上高(前期実績)通期予想(前年実績)〕
オルメサルタン 1154(1046)2400 (2111)
レボフロキサシン 433(493)885 (977)
プラバスタチン 297(319)560 (608)
〔国内売上高(前期実績)通期予想(前年実績)、億円〕
オルメテック 338(313)820 (644)
カルブロック 70(60)150 (121)
アーチスト 119(110)240 (219)
メバロチン 249(266)470 (507)
クレメジン 69(64)140 (128)
ハンプ 45(42)95 (92)
リバロ 37(29)85 (61)
サンリズム 60(59)120 (116)
ファスティック 27(26)60 (51)
クラビット 214(196)440 (430)
ロキソニン 237(189)525 (387)
モービック 40(46)90 (84)
ユリーフ 45(35)100 (79)
ジルテック 42(36)100 (93)
オムニパーク 147(146)280 (283)
トポテシン 33(31)65 (62)