クレメジンGE訴訟 日医工ファーマ現行品は特許侵害なし クレハ控訴へ
公開日時 2009/10/13 04:00
クレハが、同社の慢性腎不全治療薬クレメジンのジェネリック(GE)キューカルを製造する日医工ファーマ(旧テイコクメディックス)を相手取って起こした特許侵害訴訟で、東京地裁は、現在販売されている製品は侵害していないとの判断を示した。クレハは今後も現行品も含め特許侵害しているとの立場で知財高裁で争う構え。
クレハは07年2月に提訴。日医工ファーマは同年9月以降、仕様を変更し製造・供給したとしているが、クレハ側は公判でも仕様変更の詳細が明らかにされておらず、仕様変更の前後にかかわらず特許が侵害されていると主張してきた。日医工ファーマによると、仕様変更前製品は現在市場には存在していない。
10月8日に行われた判決では、07年2月の提訴当時に販売されていた仕様変更前の製品のみ特許侵害を認定。日医工ファーマに対し5300万円余りの損害賠償の支払いを命じた。翌9日、日医工ファーマはコメントを発表し、賠償支払いは「遺憾」とする一方、引き続き現行品を製造し、日医工から販売を続けるとしている。
なお、クレメジンGEを巡っては、マイラン製薬と販売する扶桑薬品を相手取った特許侵害訴訟もある。8月に東京地裁は、クレハ側の主張を大筋で認める判決を出しているが、それに対しマイラン、扶桑側は控訴審で争う姿勢を見せている。