万有製薬は9月29日、小児喘息の長期管理薬の服薬実態に関する調査結果を公表し、喘息治療中の子供を持つ母親の2人に1人が服薬に問題を抱えているとの実態を明らかにした。調査は今年8月に、1~5歳の気管支喘息児を持つ全国の母親を対象に、インターネットを通じて行い、721人から回答を得た。
調査結果によると、小児喘息の長期管理薬について、回答した母親の50%近くが「少なくとも1週間に1回以上服薬させるのが困難」と感じていることが分かった。服薬困難に伴う母親への影響についてみると、「おっくう」「服薬のたびに疲れ果てる」などのほか、「子供に八つ当たりするようになった」など深刻なものもあり、服薬コンプライアンスに悪影響を及ぼす可能性が指摘された。また、子供が服薬を嫌がる理由については、5割近くの回答が「味を嫌がる」とした。
一方、服薬の問題が解消された場合のメリットについて訊ねたところ、子供や自分のストレスが軽減できるほか、喘息治療にも前向きに取り組むことができるなどの回答が見られた。調査結果を踏まえ同社マーケティング本部呼吸器疾患グループの森尾博アソシエイトディレクターは、「(服薬回数が少なく、味が無いなど)子供が服薬しやすい薬剤を今後の開発の方向性として考えていきたい」と述べた。