バイデン大統領 バイオ産業振興で大統領令署名 開発支援強化およびサプライチェーン確保の政策実行へ
公開日時 2022/09/21 04:50
バイデン大統領は9月12日、米国でバイオ産業の国内回帰を含む、一層のバイオ産業振興、バイオ研究・開発の支援強化およびサプライチェーンの確保などを目指す政策を実行する大統領令に署名した。
大統領令は、「Executive Order on Advancing Biotechnology and Biomanufacturing Innovation for a Sustainable, Safe, and Secure American Bioeconomy」。バイオテクノロジーについて、米国経済を成長させ、労働力および生活の質や環境を改善するための機会を提供する新規のサービスや製品を創出する生物学の力と定義づけ、バイオテクノロジーによる経済活動を「バイオエコノミー」と位置付けた。
また、新型コロナの感染拡大が拡がるなかで、治療薬やワクチンの創出に際し、バイオテクノロジーとバイオマニュファクチャリング(製造)の重要さが改めて示されたとした。そのうえで、大統領令の具体化を目指す「国家バイオテクノロジーおよびバイオマニュファクチャリング・イニシアチブ」(FACT SHEET: President Biden to Launch a National Biotechnology and Biomanufacturing Initiative)に取り組む決意を示した。
◎イニシアチブの概要は以下の通り。
▽国内バイオマニュファクチャリング能力の向上を目指す。
▽バイオを基盤とした製品の市場参入機会を増やす(農務省を含め、バイオ製品の政府購入分を増やすことを含む)。
▽研究開発支援を強化する。新型コロナに対するmRNAワクチンが政府の支援により迅速に開発されたように政府が優先度をつけ支援。バイオ技術を新規バイオ製品に結び付けることをサポートする。
▽高品質の連邦政府データへのアクセスを改善する。バイオテクノロジーとAIを含めたコンピュータの力は、保健、エネルギー、農業などに大きな変革をもたらすとして、データ活用を促す。
▽バイオテク製品の規制の合理化を行う。価値ある発明や製品が迅速に市場に届くように規制プロセスの明確化や効率性の向上を図る。
▽バイオセフティやバイオセキュリティの研究やイノベーションへの投資により、バイオ製品の開発リスクを軽減させる。
▽米国のバイオテクノロジーエコシステムを保護する。ヒトの生物学的データ保護基準の確立、バイオ関連ソフトウェアの基準の開発、バイオマニュファクチャリングにおける外部からの干渉によるリスクの軽減などによって米国のバイオテクノロジーエコシステムを守る。
▽盛況かつ安全なグローバルバイオ経済をパートナーとともに構築する。気候変動から保健衛生まで、バイオ製品の開発などにおける世界的な課題に取り組むために、バイオテクノロジーとバイオマニュファクチャリングの活用により、国際的な協力体制を推進する。