国内初のがん悪液質治療薬エドルミズ 処方増意向は9割
有効性の評価のバラつきはPS悪化症例の混在が原因か?
公開日時 2022/07/01 00:00
がん悪液質は「通常の栄養サポートでは完全に回復することができず、進行性の機能障害に至る骨格筋量の持続的な減少を特徴とする多因子性の症候群」と定義される。よく飢餓と比較されるが、飢餓が安静時のエネルギー消費量を減少させ、骨格筋を維持しようとするのに対し、がん悪液質はエネルギー消費量をむしろ増加させ、本来は守らなければならない骨格筋まで分解してエネルギーに変えてしまうという特徴を有する。進行がん患者の8割に認められるといわれ、体重減少と食欲不振の典型症状に加え、副作用や治療中断の増加によるQOL低下、さらには生存率にまで影響を及ぼす。例えば、がん患者の直接の死因の23%が悪液質によるものとの報告もある。がん悪液質に対してはこれまで有効な治療法がなかったが、2021年4月、悪性腫瘍(非小細胞肺がん...