新型コロナの新規感染者急拡大 相次ぐMRの訪問自粛「再」要請 自治医大附属病院や独協医大病院など
公開日時 2022/01/19 04:52
新型コロナのオミクロン株による新規感染者の全国的な急拡大に伴い、コロナ患者を受け入れる病院のMRなど外部業者への訪問自粛要請が再び強化されはじめた。自治医科大学附属病院はこのほど、製薬企業のMR訪問の原則禁止を製薬各社に通達した。同院は、情報提供についてWeb会議システムを活用し、情報提供やセミナーを開催するよう要請した。このほか鹿児島大学病院もMRを含む取引業者に対し、来院を自粛するよう通知した。獨協医科大學病院も18日から訪問活動を全面禁止とし、予定していた院内講演会も中止した。
国内の新規感染者数は3万2000人を超え、13都県に対し、まん延防止等重点措置が適用される見通し。各地の医療現場も、医療スタッフの感染が拡大しており、コロナ以外の一般診療に支障をきたすケースも見られ始めた。こうしたことから院内の感染リスクを回避する目的で、入院患者の面会禁止や外部業者の訪問自粛など感染対策を打ち出す医療機関が相次いでいる。
◎自治医科大学附属病院 Web会議システムで面会・セミナー開催を
自治医科大学附属病院は13日付で、佐田尚宏院長、今井靖薬剤部長連名の「自治医科大学附属病院への訪問の原則禁止に関するお願い」を製薬各社に通達した。それによると、MRの訪問について原則禁止とし、ZOOMやSkypeなどを用いたWeb会議システムを使った情報提供やセミナーの開催を行うよう要請した。一方で、診療科が情報提供を要請した場合や、製薬会社から病院内の職員に情報を直接伝える必要がある場合は、「担当部署とアポイントメントを取り、アポイントメントを示す内容のメールを印刷して持参し警備本部で提示」するよう求めた。
◎求められて訪問する場合 1社3人以内、感染拡大地域からの訪問「入館禁止も」
訪問の人数は1社あたり原則3名以内と規定している。訪問先での滞在は原則1時間以内としアポイントメント先の当院担当者に印刷したメールに退出時間を記入し署名を得て保管する。このほか感染拡大が認められる地域での勤務または住居者の訪問について、「当方の判断で入館を禁止することがある」とも指摘している。
◎獨協医科大学病院 18日から建物への立ち入り禁止
独協医科大学病院は17日付で、窪田敬一院長、本田雅巳薬剤部長の連名で「院内における医薬情報提供活動の規制について」と題し、18日から「臨床医学棟」を含む、病院内すべての建物への立ち入り禁止を製薬各社に通達した。また、院内の講堂や「獨協メディカル倶楽部」を利用した Web 講演会を予定していた製薬企業に対し、「聴講予定者に院内開催の中止と各自の PC を利用しての聴講に切り替えるなど、代替の連絡」を要請した。
◎鹿児島大学病院 来院禁止 手術立会も診療科と検討を
鹿児島大学病院は11日付で、「取引業者の方へ 新型コロナウイルス感染防止のお願い」を発出した。オミクロン株による感染が急拡大しているとして、「病院への不要不急の来院は、ご遠慮ください。手術の立会いについても、各診療科と十分にご検討ください」と要請した。