エムスリー 営業マーケティング支援サービス「メディカルマーケター」の導入実績が100薬剤超に
公開日時 2021/11/11 04:48
エムスリーは11月10日、製薬・医療機器メーカー向け営業マーケティング支援サービス「メディカルマーケター(MM)」の導入数が100薬剤を超えたと発表した。同社はMMと同様の活動を自社MRで行うことを支援するメディカルマーケタープラットフォーム(MMP)の提供も行っており、これら導入企業数は累計約 50 社を数える。COVID-19を契機にリモートディテール人材の「内製化」を強める企業が増えている。同社はアフターコロナの時代を見据え、こうしたサービスの活用機会が拡大するとみて、企業の営業マーケティングの「DX化」を支援する方針だ。
MMとはエムスリーに所属する分析・リモートディテールに精通した「デジタルMR」を指す。医療従事者専門サイト「m3.com」(会員医師数30万人)上でテキストメッセージやWeb面談ツールを駆使し、 1人のデジタルMRが500~1500人の医師とコミュニケーションを行うことができる。これまでのMR活動がエリアに特化し、リアル訪問を中心に関係性重視のコミュニケーションを図ってきたのに対し、MMのデジタルMRは、エリアを問わずリモートチャネル中心のデータ分析によるアプローチで個別最適化を図ることができる。これによりディテール回数も、月平均2000~4000回を期待でき、高い処方インパクトを創出するという。
◎MM・MMPプロジェクトの内訳 オンコロジー27%、その他スペシャリティ29%
MMとMMPプロジェクトのこれまでの内訳をみると、オンコロジーが27%、プライマリーが44%、その他スペシャリティ(オーファン含む)が29%となっている。
同社は、30社超に導入した「my MR君」とMMPの親和性を活かすサービスの展開を想定している。例えば、新薬導入はリアルMRにmy MR君を活用させ、レイトステージにある薬剤の売上減少をMMPで抑止する。一方で、ターゲット医師にはmy MR君を活用できるリアルMRでアプローチし、その他の医師には、MMPのデータ分析力で優先度を見極めながらコミュニケーションを推進するなどの利用法を想定している。
◎AZ トーステン本部長「フィールドMRとの効果的な連携、継続的な対話を実現」
MMプロジェクトを導入したアストラゼネカ・コマーシャルエクセレンス本部のトーステン カーニッシュ本部長(執行役員)は、「MMは、いち早く、より多くの顧客にアプローチでき、それぞれのニーズに応じて柔軟に関連情報を提供できる。フィールドMRとの効果的な連携により、顧客との継続的な対話やフォローを実現することができる」と述べ、「情報提供活動をDX化させていくための中核になる取り組みだ」とコメントした。
◎アムジェン・馬場本部長「効果性、効率性が問われるフェーズに入った」
アムジェン・スペシャリティケア事業本部の馬場継本部長(執行役員)は、「弊社のミッションである“To Serve Patients”の達成、患者アウトカム改善を実現するためには、この取り組みを含めたオンラインとオフラインとをシームレスにつなげた新しい顧客エンゲージメントモデル構築の重要性は今更論じるまでもない。さらにはその質、つまり、効果性、効率性が問われるフェーズに入ったと言えるのではないか」と強調した。