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政府「新しい資本主義実現会議」が緊急提言 新型コロナ治療薬の年内実用化、国による買い上げ明記

公開日時 2021/11/09 04:50
政府の「新しい資本主義実現会議」(議長・岸田文雄首相)は11月8日、「緊急提言~未来を切り拓く“新しい資本主義”とその起動に向けて」を取りまとめた。緊急提言は、岸田内閣が掲げる「成長」と「分配」の好循環を生み出す戦略のうち、早期に実行・実現が求められる施策を提示したもの。成長戦略ではライフサイエンス分野の強化として、新型コロナの経口治療薬について年内実用化や、国による買い上げ、「国産」経口治療薬の研究開発支援などを盛り込んだ。一方、分配戦略では、看護、介護、保育などの従事者の収入を増やすための公的価格のあり方を検討するため、「公的価格評価検討委員会」を全世代型社会保障構築会議の下に設置するほか、喫緊の経済対策と絡めた前倒し実施に強い意欲を示した。

岸田内閣は成長戦略の筆頭に科学技術立国の推進を掲げ、その一つとしてライフサイエンス分野の強化を支援する。具体的には、新型コロナ治療薬の実用新型化や「国産」治療薬の研究開発支援、さらには国による買い上げによる「必要量の確保」などを実行する。新型コロナワクチンについては、変異株や新たな感染症に対応できるよう、基礎研究や企業の応用研究、ベンチャーキャピタルによる出資を要件とした「デュアルユース」の生産体制を整備・支援する。デュアルユースとは、平時にはバイオ医薬品を製造し、緊急時にワクチン製造に転用できる生産設備のこと。

◎がん・難病対策 年度末までに累計1万9200症例の全ゲノム解析を実施

一方、がん・難病対策として、21年度末までに累計1万9200症例(2.5万ゲノム)の全ゲノム解析を実施する。なお、すでに累計6300症例(1.2万ゲノム)は解析済み。政府は得られたゲノム情報をデータベース化し、研究機関や民間企業における創薬や治療法の開発に向けた利活用を進める考え。22年度からは5年間で10万ゲノム規模の全ゲノム解析を実施するとしており、複数年度にわたって支援する方針を明示した。

◎健康・医療・介護分野のDXを推進 データの利活用で環境整備も

成長戦略にはデジタル・トランスフォーメーション(DX)の推進も盛り込まれている。特に健康・医療・介護などの分野への期待も高く、データの利活用が可能な環境整備に努める方針だ。特に、健康・医療・介護分野については、妊産婦、乳幼児、高齢者など個々の健康状態に関するデータを、恐恐サービスや医療・福祉サービスの提供者が利用できる環境を想定した実証を行い、データの標準化やデータの取り扱いなどに関する課題を整理する。

◎分配戦略 看護、介護職の収入増やす 「経済対策で必要な措置」前倒しで実施へ


分配戦略では、公的価格のあり方の抜本的見直しとして、看護、介護、保育などの従事者の収入を増やすための検討に着手する。すでに岸田内閣は全世代型社会保障構築会議を立ち上げることにしており、この下に同問題を検討する検討委員会を設置し、議論を開始する。岸田首相はこの日の実現会議で、(看護、介護職等の問題について)公的価格評価検討委員会で検討を進めるとともに、「経済対策において、必要な措置を行い、前倒しで引き上げを実施する」と表明した。

◎岸田首相 22年春にグランドデザインと具体化の方策とりまとめ

岸田首相は、「全世代型社会保障構築会議、デジタル田園都市国家構想実現会議、デジタル臨時行政調査会の3つを立ち上げ、岸田政権の主要政策の具体化を進める。新しい資本主義実現会議では、これら3つの会議での検討結果を統合した上で、来春にグランドデザインとその具体化の方策を取りまとめ、世界に向けて発信する」と述べ、意欲を示した。
 
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