NBI オンコロジー領域の国内開発にアクセル がん研究会と包括的提携契約で早期実用化へ
公開日時 2021/06/25 04:49
日本ベーリンガーインゲルハイム(NBI)と、がん研有明病院などを有する公益財団法人がん研究会は6月23日、 オンコロジー領域における包括的提携契約を締結したと発表した。ベーリンガーインゲルハイム(BI)のオンコロジー領域における新規開発品について、ファースト・イン・ヒューマン試験などを国内で実施し、早期から国内での臨床開発を進めることで、早期実用化につなげたい考え。また、日本やアジアで頻度の高いがんの治療薬開発も積極的に進めるとしている。
個々の開発品について、開発戦略を早期から協議することで、国内の基礎医学や臨床医学研究者のアイデアをグローバルでの開発に活かしていきたい考え。特に、ファースト・イン・ヒューマン試験や、日本で初めて実施する臨床試験を含む早期開発試験、新規バイオマーカーの探索等のトランスレーショナル・リサーチの実施を視野に入れる。また、食道がんや胃がんなどアジアで頻度の高い腫瘍疾患や、希少がんに対する開発等の推進も注力していく方針。協力関係の構築で、日本の研究者ががん研究により積極的に寄与することも期待できるという。
がん研究会によると、包括的提携契約を締結した製薬企業はNBIが初めて。締結は6月9日付で、期間は7月1日から3年間。
NBIのシャシャンク・デシュパンデ代表取締役・医薬事業ユニット統括社長は「BIは、日本における臨床開発を事業の核として捉えている。今回の連携によって、これまで以上に日本がグローバルレベルでの研究開発に大きな影響を与え、開発を前進させることで、治療選択肢を待ち望む日本の患者に貢献できると確信している」とコメントしている。
がん研究会の佐野武病院本部長(がん研有明病院病院長)は、「本包括的提携を通じてさらに革新的な治療開発を進め、患者に提示できる治療選択肢を増やしていく覚悟だ」と話している。